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スポーツ界「プロ・アマ問題」原因は?

2013.04.05 FRI


プロ転向表明後は多くを語らず準備を進めている村田だが、所属していた東洋大を3月いっぱいで退職したことが明らかになった。本格始動も近いか? 写真提供/ロイター/アフロ
先頃、ロンドン五輪のボクシング金メダリスト・村田諒太のプロ転向が、ボクシング界に波紋を呼んだ。こうした「プロ」と「アマチュア」の関係を巡るスポーツ界の「プロ・アマ問題」。その原因を探ってみたい。

まず、村田のケース。結果的にプロ転向にあたり、村田は日本アマチュアボクシング連盟から異例ともいえる「アマチュア選手としての引退勧告」を受けた。理由のひとつは村田自身の迷い。報道によれば、村田は一時「プロには行かず引退する」ことを表明していたという。当時、村田には国際ボクシング協会が設立するプロ団体からの誘いもあったが、現役引退を理由に辞退。ところが、2月になると一転、別ルートでプロ入りを表明した。こうした動きにアマチュア関係者が不信感を抱き、引退勧告を招く結果となったのだ。

ただ、これは村田の快挙が呼んだ事態ともいえる。並の選手のプロ転向であればこれほどこじれはしなかっただろう。ところが金メダリストともなるとそうもいかない。アマ・プロともに「村田がほしい」と争奪戦に近い状況になってしまったがゆえの騒動ともいえるのだ。

金メダリストとはいえ20代後半の一青年。自身の将来について迷うこともあるだろう。それを責めるのは酷な気もするが、逸材ならではの宿命というべきか…。

また、「プロ・アマ問題」といえば野球界が有名だ。事の発端は1960年代に起きたプロ球団による強引なアマチュア選手引き抜き。アマ側はプロ側への不信感を募らせ、態度を硬化。元プロ野球選手によるアマチュア選手への指導や交流の制限という「ゆがみ」を生んだ。ただ、近年はどちらも歩み寄りを見せており、すでに社会人や大学では元プロの指導者が数は少ないが定着し始めている。さらに先日、元プロ選手による高校生の指導が大幅に緩和される方向へ、という動きも表面化した。今後、理想的な「雪解け」がなされるか注目である。

その他、バスケットボール界でも、プロ化を巡る意見の相違をひとつの背景として、現在のプロ・アマ混合リーグ「JBL」と、プロリーグである「bjリーグ」が並び立つ状況になっている。後発であるbjリーグ発足当初は、両者の関係は良好とはいえず、一時はbjリーグの選手は日本代表に選ばれない、といった話も出るほどだった。現在は、完全なプロリーグを前提にした統一化を目指す動きが報じられているが、運営・経営不安の大きさからプロ化に反対の声もJBLの有力チームから上がっており、いまだ実現していない。

選手の生活やファンの楽しみを考えれば、プロとアマが仲違いをしていいことはあまりない。場合によってはベストメンバーのナショナルチームが組めなかったり、選手間の交流が制限され、レベルアップの機会を奪うことにもなる。アマもプロも本来は同じスポーツを愛する者同士。雪解け&交流促進を願うばかりだ。
(長谷川一秀)

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