活躍の場は日本とアメリカだけじゃない!

「ベースボール労働移民」とは?

2013.04.18 THU


2007年に開催されたイスラエルのプロ野球。選手には期間限定、バケーション感覚で参加したアメリカ人弁護士や「自分探し」型の日本人もいた 画像提供/石原豊一
近年、世界の野球界では一段とグローバル化が進んでいるようだ。たとえばWBCイタリア代表のアレッサンドロ・マエストリ投手。彼は欧州出身でアメリカのマイナーリーグや独立リーグを経て日本の独立リーグに参加。そこからオリックス入りした。今、彼のようにプレーの場を求めて世界各国を渡り歩く選手が増えているという。そうした選手たちの現況をまとめた『ベースボール労働移民』の著者・石原豊一さんはこう語る。

「『ベースボール労働移民』とは、メジャーリーグを頂点とするグローバルな野球ネットワークのなか、越境してプレーする選手たちを指します。ただし、卓越した能力と実績を持ち、越境することで莫大な報酬を得るトップ選手ではなく、低報酬でもプレーの場を求めて越境する選手にスポットを当てた用語が、私の言う『ベースボール労働移民』なのです」

一昔前まで、そういった選手たちの多くは経済的にも貧しく自国のプロリーグが脆弱な途上国出身者だったが、近年は先進国出身者も増えているという。石原さんによれば「ベースボール労働移民」はその性格から4つのタイプに分けられる。(1)上級リーグへのステップアップが見込まれるプロスペクト型、(2)上昇志向が希薄で通用するレベルのリーグでのプレー・報酬でよしとする野球労働者型、(3)プロ野球選手の夢を叶えることが目的のバケーション型、(4)本当の意味での職業としてというより夢追求のためにプレーをする自分探し型。このうち(3)と(4)は先進国出身者の増加が背景にある。

「メジャーリーグの海外戦略の影響で、世界には日本やアメリカでは一線級になれない選手でも、十分戦力として通用するリーグもあります。最近はそういったリーグの情報も入手しやすくなりました。こうした背景が『ベースボール労働移民』を増加させているのです」

野球の普及が生んだ、新たな選手像、今後も注目だ。
(田沢健一郎)


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