家康公からノーベル賞受賞者まで

“出世の街”浜松市…その理由は?

2014.11.12 WED


公務に励む浜松市のキャラクター「出世大名家康くん」。左目の上あたりには太田幸江さんにあやかった蝶がとまっている
静岡県西部に位置し、人口、面積ともに県内最大の浜松市。浜名湖やウナギパイが有名だが、最近は“出世の街”としても売り出し中だという。出世頭は何といっても、浜松城に長く住み、やがて江戸幕府初代将軍となった徳川家康。しかし、ここへ来て家康公に続けとばかりに大出世を遂げる人物が続出している。

たとえば、青色発光ダイオードの開発でノーベル物理学賞を受賞した名古屋大学教授の天野浩さん(54歳)。「キングオブコント2014」で優勝を果たしたお笑いコンビ「シソンヌ」のツッコミ担当・長谷川忍さん(36歳)。デンマークで開催された国際フルートコンクールで蝶が額に舞い降りたまま演奏を続けて注目を集めた太田幸江さん(30歳)。皆さん、浜松市出身なのだ。

天野教授には、今回の受賞で市から名誉市民の称号が贈られることになった。また、浜松市の公式マスコットキャラクター「出世大名家康くん」は、太田さんにあやかって、当面の間、額に蝶をつけて公務に励んでいる。

この出世旋風を受けて、浜松市では今年7月に「出世旅プロジェクト」を発足。市内の飲食店による「出世飯」や地元企業を巻き込んだ「出世みやげ」の開発に乗り出した。JR浜松駅構内には設置された「金の家康くん像」には、ウナギ型のちょんまげに触ると出世運が上がるという“都市伝説”があるそうだ。さらに、10月からは「出世旅スタンプラリー」を開催(12月26日まで)、市内8カ所に置かれたスタンプをすべて集めると「出世開運! 家康くん金のしおり」がもらえる。

とはいえ、これら“出世の街”のプロジェクトは自治体主導のPR作戦に過ぎないのではないかという疑問は拭いきれない。ここはひとつリアルな声が聞きたいと、浜松市出身の知人女性(26歳)に確認してみた。あなたは出世していますか?

「新卒で証券会社に就職したんですが、最近、大手インターネット広告代理店に転職。お給料が2割増えたうえに、海外出張など仕事の幅も広がりました」

すみません、出世していました…。

浜松市には、古くから「やらまいか(やってみようじゃないか)」精神が受け継がれている。そんな気質も頭角を現す要因のひとつかもしれない。

「皆の者、ワシらの出世運にあやかるのじゃ」。出世したい方は、そんな家康公のお導きのもと、浜松市へ足を運んでみてはいかがだろうか。
(石原たきび)

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