「展示車両充実度」「マニアック度」「体感度」で比較!

京都鉄道博物館がオープン!知られざるNo.1争い

2016.04.28 THU


京都市下京区の梅小路公園に4月29日に開業するJR西日本の「京都鉄道博物館」が1日、報道陣に公開された。蒸気機関車から新幹線まで53両の歴史的な車両が収蔵されている
写真提供/時事通信社
4月29日、JR西日本が運営する「京都鉄道博物館」がオープンする。そのスケールは、大阪にあった交通科学博物館(2014年4月閉館)と京都の梅小路蒸気機関車館(2015年8月閉館)が合体したほどの大きさで、日本では最大規模の新しい鉄道系博物館の誕生となる。これでJR東日本系の「鉄道博物館」(埼玉県さいたま市)とJR東海系の「リニア・鉄道館」(愛知県名古屋市)と並び、本州JR3社による大規模な鉄道系博物館がそろったことになる。鉄道事業と同じように、日本の鉄道会社“ビッグ3”が博物館でも競い合う時代が到来したわけだ。

しかし、各鉄道館の特徴は様々で、一見してわかりにくいのも事実。そこで、ナンバー1を目指してバチバチと火花の飛び散る(?)鉄道系博物館のそれぞれの見どころを、3つの切り口で比較しながら、鉄道ライターでもある筆者がご紹介しよう。

■鉄道系博物館最大の魅力!「展示車両充実度」ナンバー1は?


鉄道を扱う博物館の目玉はやっぱり車両。ビッグ3いずれも貴重な鉄道車両をずらりと展示している。そんななかでも「京都鉄道博物館」は圧巻そのもの。53両の展示数は日本一で、さらにSLが扇型機関車庫に20両も並んでいるほか、「トワイライトプラザ」には運行を終えたばかりの「トワイライトエクスプレス」の機関車や客車が展示されている。

もちろん他の博物館も負けてはおらず、「鉄道博物館」は東北新幹線でおなじみの200系新幹線車両や1872年の鉄道開業時に使われた150号蒸気機関車、皇族が利用する御料車などの展示がある。「リニア・鉄道館」はとにかく新幹線。初代新幹線車両の0系をはじめ、300系・500系・700系と歴代車両のほか、試験車両までがずらりと並んでいる。 

〈展示車両充実度〉星5つが最高
京都鉄道博物館 ★★★★★
鉄道博物館  ★★★★☆
リニア・鉄道館 ★★★☆☆

■鉄道ファンも唸らせる!「マニアック度」が売りなのは…?


前身が梅小路蒸気機関車館ということもあり、「京都鉄道博物館」はまさしくSLワールド。今も全国各地でのSLの復活運転が人気だが、そんなSLの仕組みについて細かく知りたい“SLマニア”ならやはり京都が一番だ。施設内にはSL検修庫があり、ここでは時期にもよるが実際のSLの検修(点検・修理)の様子を見ることもできる。扇形車庫に並ぶSLの形式ごとの細かい違いを探してみるというのもマニアックな楽しみ方だろう。

「鉄道博物館」もマニア度ではかなりの充実ぶり。“鉄道の歴史”がひとつのテーマになっており、車両や技術など様々な面から鉄道の歩みを学ぶことができる。さらに、蔵書3万3000冊という「ライブラリー」では古い時刻表や鉄道雑誌など、関連文献の閲覧が可能(事前予約制)。初心者がマニアへの道を極めていくなら最適な博物館だ。

そして「リニア・鉄道館」は、ここでも新幹線。新幹線なのでちょっとベタなイメージもあり、“子ども向け”の印象も拭えない。が、新幹線が高速で走る仕組みや技術の進化などがわかる展示も充実しており、通いつめれば“新幹線マイスター”になれるだろう。

〈マニアック度〉
京都鉄道博物館 ★★★★☆
鉄道博物館  ★★★★★
リニア・鉄道館 ★★☆☆☆

■五感で鉄道を楽しむ! 「体感度」が高いのはどこ?


鉄道系博物館の目玉といえば、車両やジオラマ、そしてシミュレーター。実際の車両の運転台を用いて運転体験ができるシミュレーターは、子どもから大人まで楽しめる展示のひとつだ。もちろんビッグ3はいずれもシミュレーターに力を入れている。

「鉄道博物館」では蒸気機関車D51形(通称デゴイチ)のシミュレーターがポイント。日本でここだけというSLのシミュレーターで、運転操作だけでなく炭をくべる“投炭作業”を疑似体験することができる。「リニア・鉄道館」は新幹線N700系シミュレーターがオススメ。N700系車両のモックアップ(模型)を利用したもので、東京から名古屋までの区間をダイジェストで運転体験できるのだ。ホンモノそのものの運転席に座れば、まさに気分は運転士。時速285kmの世界を体感できる。

そして「京都鉄道博物館」。8台の運転シミュレーターだけでなく、車掌になってホーム上の安全確認したり、窓口でのきっぷ発券、指令員として複数の列車の運行をコントロールしたり…と、鉄道に関するあらゆる仕事を体験できる。さらに本館3階のスカイテラスに行けば、眼下に東海道本線(JR京都線)の列車が行き交う様子を見ることも。これは他の2つの博物館にはない見どころだ。目で、体で。まさしく全身で鉄道を楽しめるのが京都鉄道博物館というわけだ。

〈体感度〉
京都鉄道博物館 ★★★★★
鉄道博物館  ★★★★☆
リニア・鉄道館 ★★★☆☆

いかがだろうか。しばらくはオープン間もない「京都鉄道博物館」の混雑が予想される。ならば、その隙を見て「リニア・鉄道館」に足を運ぶもよし、「鉄道博物館」のライブラリーで鉄道書籍をじっくり眺めるもよし。もちろん賑わう京都鉄道博物館でSLの魅力にひたるのもいいだろう。それぞれがそれぞれの魅力を持つ鉄道系博物館ビッグ3。GWはめくるめく鉄道の世界、味わってみては?

(鼠入昌史/Office Ti+)

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