「地方がウリ」の飲食店を群馬出身アプガ新井愛瞳が直撃

ただの飲み会が地方貢献に!「おいし援」ブームの兆し

2017.01.23 MON


(写真=森カズシゲ)
昨年、名古屋・台湾ラーメンの元祖「味仙」が東京・神田に上陸し、東京駅地下一番街には地方の郷土食が集う「にっぽん、グルメ街道」もオープンした。昔から全国のおいしいものが集まる東京だが、最近は特に、こうした「ご当地色」を色濃く打ち出した飲食店の進出が目立っているように思える。

「生鮮品流通の方法や冷凍・解凍技術の進歩によって、以前は産地でしか食べられなかったようなご当地グルメでさえも、東京で味わえるようになりました。そうした地方の食材に力を入れることで差別化をはかる飲食店が増えているのではないでしょうか」

そう語るのは、ホットペッパーグルメ外食総研・ホットペッパーグルメリサーチセンター・稲垣昌宏センター長。こうした外食産業のトレンドは、昨今の消費者動向にもマッチするという。

「消費者側にも、地方の食材を積極的に食べて産地を応援しようという機運が高まっています。実際、私たちが東京在住の20~50代約5000名に行ったアンケートでは『どうせ外食するなら、食を通じて地方貢献できるほうがいいと思う』との回答が過半数に上りました。背景はいくつか考えられますが、熊本の震災や政府の地方創生戦略も関係している。地方がクローズアップされるとともにその課題も浮き彫りになり、“郷土”への思いを強くする人が増えているように思います」(同)

■ご当地食材を食べて地方を応援。広がる「おいし援」の波


おいしいものを食べて気軽に地方を応援する。稲垣さんはこれを「おいし援」と名づけ、外食における2017年のトレンドワードに挙げている。

「東京から地域おこしの理念を掲げる飲食店は増えていますし、私たちはその店を利用するだけで意識せずとも生産者にお金を落とすことができる、つまり“おいし援”につながるわけです。たとえば、こんな面白いお店がありますよ」

そう稲垣さんに教わり、足を運んでみたのは神田にある「なみへい」。“全国うまいもの交流サロン”を掲げ、各地の食材を使ったコース料理を提供している。クローズアップする市町村は月替わりで、食材利用だけでなく名産品なども店内で販売。2008年のオープンから現在まで、100以上の自治体を取り扱ってきた。
なみへい店内
地域の名産品も販売している店内
「根本には衰退する地域の知られざる魅力を発信したい、という思いがありますが、本当に良いもの、おいしいもの、地元でなければ食べられない貴重なものをお出ししなければ、かえって逆効果になってしまいます。その地域の特徴ある食材を毎回4~5品くらい厳選し、お客さんに喜んでもらえるものを出しています」(なみへいオーナー・川野真理子さん)

1月の特集地域は「群馬県・南牧村(なんもくむら)」。市町村高齢化率ランキング、将来消滅する可能性があるとされる「消滅可能性都市」ランキングともに全国1位と、厳しい状況に置かれている。

「しかし実際に行ってみると自然豊かで美しい、本当に良い村ですよ。移住者も増えていますし、南牧村を何とか元気にしようと頑張っている人も多い。今回のコースは、そうした移住者の方や自治体の方に相談をしながらメニューを決めました」(川野さん)

3800円のコースは下仁田ネギの焼きびたしや豚肉巻き、「切干」と呼ばれる干しイモを使った料理、保存食の「いぶし」、3種の刺身こんにゃくなど、まさに南牧村産づくし。これに鍋料理や全国の地域食材を使った料理を選べる贅沢な内容である。1品1品は素朴ながら、どれもおいしそうだ。

■群馬県出身アイドルが、「本場の味」か否かを判定


ここは、南牧村に疎い筆者よりも、当地にゆかりの深い人に食べてもらい感想を仰ぎたい。そこで、お迎えしたのは「アップアップガールズ(仮)」の新井愛瞳さん。群馬出身・在住で2014年からは「ぐんま観光特使」に就任。「パーフェクトあらいぐんまちゃん。(=あらいぐんまちゃん。)」としてゆるキャラグランプリにも出場する、芸能界屈指の“群馬推し”アイドルである。
新井愛瞳
「南牧村は私が住んでいる場所からは少し遠いけど、村のマスコット『なんしぃちゃん』はゆるキャラ界のお友達なんです。それに、ここに並んでいる料理も、馴染み深いものばかり。下仁田ネギは子どもの頃から農家のおじちゃん・おばちゃんがおすそ分けしてくれて、炭火で焼いたものをおやつ代わりに食べていました。『いぶし』も、地元スーパーのお菓子コーナーでよく見かけますね」(新井さん)

「食べ物の好き嫌いは多い」という新井さんだが、慣れ親しんだ地元の食材はいずれも好物。全ての料理を、ペロリとたいらげてしまった。
新井愛瞳
下仁田ネギは皮をむいてそのままがぶり
「どれも本当においしい! 皮を剥がしてそのままかぶりつく下仁田ネギは、ホクホクで中はとろ~っと甘いです。切干(干し芋)は…、クリームチーズを入れて天ぷらにしてあるんだ! 私、切干の食感が好きで家にも常備してあるんですけど、こういう食べ方は初めて。こんにゃくも3種類、それぞれ違う味と舌ざわりが楽しめていいですね。食材自体は地元でよく見るものばかりですが、地元の人が気づかないような調理法に驚きました」(新井さん)
ウニを使った贅沢なお鍋にも下仁田ネギがたっぷり
「東京在住の地方出身者の方には懐かしいと思いますし、それ以外の人にはご当地の魅力を知ってもらえる。次は、群馬県以外の特集をしている時にも来てみたいです」と新井さん。自身も日頃から地元の活性化を願い活動しているだけに、「食で地方支援」という理念に、いたく共感したようだ。

都市部に広がりつつある「おいし援」の波。我々にとっても、最も簡単な地方支援といえる。今はまだ東京を中心としたトレンドだが、全国の都市部に広がっていくことを期待したい。

(榎並紀行/やじろべえ)


  • 新井愛瞳(あらい まなみ)

新井愛瞳
1997年11月19日生まれ。群馬県出身。アスリート系アイドル「アップアップガールズ(仮)」メンバー。2014年から「ぐんま観光特使」としても活躍。Twitter :@uugirlsofficial(公式)、@arai_manami_ao(個人)

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