日本代表、アジア杯2大会連続優勝

アジア杯で見えた強豪国の最新勢力分布

2004.08.19 THU

日本の連覇で幕を閉じたサッカーのアジアカップは、中国の人々の反日感情が燃え上がり、外交問題にも発展した。僕個人は、3週間の滞在で身の危険を感じることは一度もなかった。ブーイングを浴びる日本人に同情的な地元の人々(とくに女性ボランティアが!)も、実は多かったりした。強くて憎い相手にブーイングするのはスポーツではごくノーマルなので、日本が強豪と認知されたと思えば、まあ、腹も立たない。

それはともかく、今大会から見えたアジアのサッカーのレベルについてお伝えしておきたい。結論から言うと、アジアは『東高西低』である。史上初のグループリーグ敗退に終わったサウジアラビア、96年大会準優勝のUAE、トルシエ前日本代表監督が解任されたカタールなどは、チーム戦術やグループ戦術に乏しい前近代的なサッカーから脱却できずにいる。特定の個人の頑張りがチームの勝敗を左右するので、エースと呼ばれる選手が機能しないと勝てない。安定感のある成績が残せないのだ。

それも当然ではある。中東では王族がサッカー協会の要職を務めることが多い。代表チームの結果が出ないと、彼らはすぐに口を挟む。たとえばサウジは、1年に1度以上のペースで監督が代わっている。継続的な強化が実現されず、いつも場当たり的に大会に臨むので、欧州や南米から実績のある監督を連れてきても、個人頼みのサッカーになってしまうのだ。

日本が苦戦したヨルダンやバーレーンにしても、このままアジアのトップランカーとなるのは難しい。彼らが日本を倒すには、暑さやジャッジ、ホームのような雰囲気といった2次的要素の助けが必要なのだ。

唯一の例外はイランだ。戦術的な成熟度は日本や韓国に劣るが、個々の身体能力や技術レベルの高さは、アジアのスケールを越えている。来年に行なわれるドイツ・ワールドカップのアジア最終予選で、もっとも警戒すべきはイランだというのが、現地で取材をした僕の結論である。

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