スター選手揃いの裏にある“層の薄さ”

WBCでは強かった! でも…韓国野球界の実情とは?

2006.04.20 THU

日本を2度も破り、アメリカまでも撃破。6勝1敗というワールドベースボールクラシック(以下、WBC)参加国中、最高の勝率で大会を終えた韓国代表。その強さに驚いた人も多いようだが、この結果は、韓国球界全体のレベルの高さを表すものではない。

では、なぜ韓国は好成績を残すことができたのか? それは、海外で活躍する実力者がみな参加したからだ。代表を率いたキム・インシク監督が「日本なら代表チームをあと2、3作れるだろうが、我が国ではこのチームしか作れない」と語るように、メジャーリーグ経験者7人を含む、これ以上ないベストメンバーが集結した。韓国人選手に「代表辞退」という概念はない。

選手を代表入りに駆り立てるもの。それは「兵役免除」という恩恵だ。韓国には成人男子に約2年の兵役義務がある。イ・スンヨプ(巨人)や韓国人メジャーリーガーのパイオニア、パク・チャンホ(パドレス)は過去の国際大会で兵役を免除されているが、「後輩たちのために」と代表入りし活躍。日本球界でのプレー経験があるベテラン、イ・ジョンボム(元中日)、ク・デソン(元オリックス)も役割を果たした。結果、ベスト4入りを果たしたことで、11人の若手選手が兵役免除の恩恵を受けることができた。

今回の代表チームの活躍で、超一流選手の実力は評価されたが、それに次ぐ層が薄いのが韓国野球の実情だ。韓国の人口は日本の半分以下の約4725万人だが、プロ野球チームは8つと多い。しかし高校野球チームはわずか五十数校と、石川県の野球部ほどの数しかなく、狭い底辺が今後の選手育成の課題となっている。

とはいえ、WBCで垣間見られた韓国野球の魅力。メジャー級の美しい天然芝のスタジアムの存在や、チアリーダーがリードするにぎやかな応援など、知られていない部分はたくさんある。これを機に、身近な隣国の野球にも注目していただきたい。

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