“山の神”は平地でも速いの?

箱根のスター・今井正人はマラソンでも活躍できるか!?

2007.02.08 THU



写真提供/日本スポーツプレス協会/アフロスポーツ
えっ、追いついちゃうの!? 正月の箱根駅伝、その瞬間を見逃すまいとTVの前から離れられなくなった人も多いと思う。それは史上最大の大逆転劇だった。トップ東海大との4分09秒差を一人でひっくり返したのが、順天堂大の5区・今井正人だ。5位でタスキを受けて走り出した今井は天下の険を軽々と駆け上がり、次々と選手をかわしていく。東海大からしてみれば例年なら安全圏ともいえるリードは、すぐにピンチに変わった。今井は9.6km地点で東海大との差を2分15秒まで短縮。14km付近で40秒差に迫ると、16km手前で一気に抜き去った。その姿はまさに“山の神”だった。

今井は1年生のときに花の2区を任されて区間10位。2年生から5区に起用されると、突出した才能を発揮した。5区では最多となる11人抜きを達成すると、3年生のときにはトップと2分26秒差の6位で走り出して、前を走る選手全員を抜き去った。そして最後の箱根も異次元の走りを披露して、3年連続のMVPを獲得。83回の歴史を誇る箱根駅伝でも、最も輝いたスター選手といってもいいだろう。

山の神を見て、こんな疑問を抱いた人も多いはずだ。今井は平地でも速いの? と。その答えはもちろん「速い」だ。都道府県駅伝(1月21日)では、福島県チームのアンカーとして出場。ほぼフラットの13kmコースで17人抜きを見せたほどだ。

今井は卒業後、トヨタ自動車九州に進み、今度はマラソンに挑戦する。大学在学中にマラソンに参戦する選手もいるが、今井は慌てていない。来年の北京五輪ではなく、その4年後の「ロンドン五輪」をターゲットにしているからだ。世界と戦うためにはスピードが不足しているが、それはこれからの課題。反対に上りが強いというのは最大の武器になる。マラソンでは箱根のような強烈な上り坂はないが、上りを利用して勝負に出ることはよくあるからだ。箱根のスターがマラソンでヒーローになるときを、じっくりと待ちたい。


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