ICチップ付きからディンプル加工まで

開発期間はなんと6年!“ゼッケン”の最新事情

2008.07.24 THU

オリンピックを目前に、注目を集めたスピード社の競泳用水着。実は最近、その陰で彗星のごとく現れたスポーツ用品がある。それが、北海道のタイム計測専門会社アイサムが開発した「ディンプルナンバーカード」なるゼッケンだ。石黒裕社長、どんなものなんですか?

「ランナー向けの、通気性が最後まで持続するナンバーカード(ゼッケン)です。表面に穴を開け、凸凹をつけるディンプル加工を施したため、ウエアとゼッケンが点で接し、穴から入った空気が凸凹を通って抜けます」

そもそも、一般的なゼッケンにはビニール繊維を素材とした「不織布」の一種が使われている。しかし、不織布は雨に強く印刷しやすい一方で、通気性が時間とともに減ってしまうのだ。走っているうちに、汗ばんだウエアとゼッケンが密着し、胸部の皮膚呼吸を妨げてしまうのである。そこでアイサムでは、2002年ごろから通気性のいいゼッケンの開発を始めたという。

「穴を開けるのは簡単だったのですが、ディンプル加工が大変で。汗を含んでも凹凸面が元に戻らないように実験を続け、鉄を加工する機械で布に4トンの圧力をかけてやっと成功しました。6年もかかってしまいましたがね、ハハハ」(同)

いやはや、笑いごとじゃないッス。熱いッス(感涙)。開発のきっかけはいったい?

「ウエアに比べて、ゼッケンはずっと進化していなかったんです。通気性のいいウエアも、ゼッケンのせいで台無しになっていた。長距離ランナーがゴールで倒れるのをテレビで見ていて、体力消耗の少ないゼッケンを開発したい、選手のタイムアップにもつながるし! と考えたんです」(同)

現在、特許申請中の「ディンプルナンバーカード」は、まだまだ進化中。11月までには第2弾をリリース予定だ。最終的には、マラソン以外のスポーツでも使われるようにしたいそう。で社長、スポーツ経験は?「まったくないんですよ。だから、逆に憧れが強くてねぇ~」。何たる情熱! いやマジで、恐れ入りました。


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