ニッポン柔道にとって吉か凶か?

世界柔道の新たなる首領マリウス・ビゼールの豪腕

2008.12.04 THU



写真提供/築田純/アフロスポーツ
最近、柔道界でランキング制の導入や「効果」の廃止など、抜本的なルールの変更が話題になっている。その中心にいるのが世界柔道連盟(IJF)の会長マリウス・ビゼール氏(オーストリア)だ。この人、一応柔道経験者だが、選手時代はほぼ無名。新聞の報道によるとカジノ経営などで財をなした人らしい。なんかすごそう。日本柔道の総本山・講道館の村田直樹氏に話を聞いてみた。

「ビゼール氏はビジネスマンなだけあってなかなかの策士です。昨年のIJF会長就任の際にも大陸連盟の支持を周到に取り付け、会長選に勝利したといわれています」

新聞報道などと併せて考えると、かなり強引な性格なよう。そして、IJFの前会長・朴氏を支持していた日本にも影響があった。唯一の日本人理事だった山下泰裕氏が執行部から締め出されたのだ。しかしビゼール氏は日本の顔を立てるためか、独自に指名できる8人ほどの理事ポストを作り、全日本柔道連盟の上村春樹氏をそのひとりとして任命したという。

「ビゼール氏といえども、やはり柔道の母国である日本を完全に締め出すことは得策ではないと考えたのでしょう」(村田氏)

最近同氏にインタビューをした筑波大学准教授の山口香氏は「とにかくドライな印象の人です。ビゼール氏の進める改革は今のところさほど問題はないけど、どこかで悪い方向に進み始めた場合、止める人間がいないことが懸念材料でしょう」と語る。

でも、効果の廃止やランキング制の導入など、見方によっては面白くなりそうな予感はするのですが、どうなんでしょうか?

「ビゼール氏は以前サッカーチームを持っていた人物です。つまりスポーツビジネスに大変興味がある。柔道をサッカーのようによりエンターテインメント化したいというのは分かるのですが」(山口氏)

政治の分野でも「チェンジ」という言葉がもてはやされる今。ビゼール氏のチェンジが柔道界にどんな影響を及ぼすのか。これからも目が離せない。


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