成田の就航都市数は仁川の6割弱

羽田&成田のタッグチームは「ハブ空港」の座を奪えるか?

2009.12.17 THU



写真提供/ロイター/アフロ
少し前の前原国交相の「羽田ハブ化」発言を契機に、一躍「ハブ空港」という言葉が注目を浴びたのは記憶に新しい。ハブ空港とは、国内外の多方面への路線を持つ空港、つまり航空ネットワークの中心拠点となる空港のことだ。

「ハブ空港は、人・モノ・情報など、様々な交流を生みます。こうしたグローバル化の流れから取り残されることは、国として深刻な事態。韓国やシンガポールが国を挙げて国際ハブ空港を整備しているのはこのためなんです」と語るのはNPO法人グローバルハブ研究会の渡邊信夫さん。

前原国交相の「羽田ハブ化」発言の背景には、日本の空港の国際ハブ空港としての“弱さ”があると渡邊さんは続ける。

「日本の首都圏空港の最大の弱点は、東京の玄関口である成田と羽田が遠く、国際線と国内線の連携が悪いこと。来年10月に羽田に4本目の滑走路が完成することもあり、国内最多の都市・地域との繋がりをもつ羽田と成田を一体運用して、国際ハブ機能を持たせるというのが前原国交相の狙いですね」

ここで疑問に思うのは、なぜ羽田も必要なのかということ。国際ハブ空港としての必要条件とともに解説していただこう。

「国際ハブ空港として重要な要素は2点あります。1点目は空港の容量。路線とその便数が多いほど有利なので、これは当然ですね。2点目は航空路線とダイヤ。利用者からすると、経由便や乗り継ぎ便は輸送距離や時間・費用の点で直行便よりも不便。多方面への路線と発着ダイヤを整備して旅客の利便性を高めることが必須です」

残念ながら、成田はこの2点で劣勢とのこと。韓国の仁川空港と比べればその差は明らかだ。成田の敷地面積940haに比べて仁川は4743ha。国際定期便の08年の就航都市数も、成田発の98都市に対し、仁川発は実に170都市にものぼる。

人的交流や経済活動にまで影響を及ぼす国際ハブ空港。アジアの辺境にある日本が存在感を示すためにも、今後の航空行政の動向が注目されるところだ。
(山口 学)


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