世の中の「要するに」をクイズで学ぶ

この1年でサラリーマンの収入はどれくらい減ったの?

2010.01.21 THU

経済学ドリル


【問1】大手企業の09年冬のボーナスは前年に比べて社員1人あたりいくら減った?

A 3万3436円 B 13万3436円 C 23万3436円

【解説】長引く世界不況の影響を受けて、09年のサラリーマンの収入は大幅に減りました。たとえば、日本経済団体連合会(経団連)が集計した大手企業(注)の冬のボーナスの妥結結果によると、社員1人あたりの支給額は前年比15.01%減少し、過去最大の落ち込み幅となりました。業種別にみると、製造業が前年比18.46%減、非製造業が同4.77%減で、製造業に勤めている人たちのボーナスの減少が際立っています。製造業では、急激な円高や海外需要の落ち込みで輸出が低迷し、それによって業績が悪化した企業が多かったので、ボーナスも大幅に削られたと考えられます。ただ、製造業の中でも食品に限っては、節約志向で内食の流れが強まったため、業績は比較的堅調でした。世界景気は09年の夏に底打ちをして、とりあえず最悪期は脱したとみられますが、景気の回復力は脆弱なものにとどまっており、サラリーマンの収入は2010年も低空飛行が続きそうです。 
(注)ここでいう大手企業は、東証一部に上場していて、従業員500人以上の企業を指す。

【問2】大手企業の製造業の中で、冬のボーナス支給額が前年に比べて増えた業種は?

A セメント(1人あたりのボーナス支給額は64万1559円)
B 印刷(1人あたりのボーナス支給額は52万1286円)
C 食品(1人あたりのボーナス支給額は77万9848円)

[正解] 問1:B 問2:C


門倉貴史 かどくら・たかし 慶應義塾大学経済学部卒業後、金融機関のシンクタンクで主任研究員などを歴任。現在、BRICs経済研究所代表。専門は日米経済、BRICs経済、地下経済など。著書に『大失業時代』(祥伝社新書)、『世界不況を生き抜く新・企業戦略』(朝日新書)など多数

「子供手当」で手取りが年間約50万円増える!?



サラリーマン世帯の将来の収入を考えるにあたっては、税制改正の影響も見逃せません。鳩山政権は、税制改正の基本方針として「控除から手当へ」を掲げています。控除から手当にシフトする狙いは、世帯間の所得格差を是正することです。実際、同じ金額を控除にした場合と手当にした場合では、理論上、前者が高所得層に、後者が中低所得層に有利に働きます。09年12月に大筋が決まった税制改革はまさにこの方針に基づいているわけですが、今回の改正によって、サラリーマン世帯の税負担はどのように変わるのでしょうか。
まず、控除の削減については、15歳以下の年少者について扶養控除が廃止されます(所得税は11年1月、住民税は12年以降)。一方、手当の方は、10年6月から中学生以下の子供がいる世帯に子供1人あたり月1万3000円(11年度からは月2万6000円)の「子供手当」が支給されます。
こうした制度変更が個別の世帯に与える影響を計算してみると、まず配偶者控除が廃止されない場合、子供のいない世帯は税制が控除から手当に変わっても、影響は受けません。次に子供のいる世帯について、夫婦と中学生以下の子供2人のサラリーマン世帯を想定(所得税・住民税の扶養控除廃止と子供手当の満額支給を想定)してシミュレーションすると、年収が500万円の世帯では、扶養控除の廃止によって所得税・住民税合わせて年間約11万2000円の税負担増になります。一方、子供手当の支給によって年間62万4000円手取りが増え、扶養控除廃止による税負担増加分を差し引くと、正味で約51万2000円の手取り増となります。ただし、年収が500万円より多い場合でも正味の手取り額はかなり増えるので(たとえば年収1000万円の世帯では手取り額が40万6000円増える)、当初の狙いである所得格差是正の効果は弱いと考えられます。

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