実は板橋区のマジメな政策だった!

飼い主心を巧みにくすぐる 「犬の住民票」が大好評!

2010.03.18 THU


「アザラシ、アニメキャラの次は、とうとう犬か…」。なんて感想を抱いた人も、結構多いのではないだろうか? というのは、今年から板橋区がはじめた「犬の住民票」サービスのお話である。確かに、事情を知らなければ単なる話題づくりとも受け取れるこのサービス。しかし、今回の「犬の住民票」は、アザラシなどに交付される「特別住民票」とは一線を画すもの。その目的を知れば、ヒザを打つこと必至の、実にクレバーな試みなのだ。

「『犬の住民票』発行は、飼い犬の登録数向上を目的とした試みです。『住民票』をもらうためには、登録済みの犬がもつ登録番号が必要になります。つまり、未登録の犬には『住民票』が発行できない、というわけです」(板橋区保健所生活衛生課・小林氏)

そもそも。日本には、犬を通じて人間にも感染する「狂犬病」の流行防止のための「狂犬病予防法」という法律がある。飼い犬の登録や予防接種は、その中で義務付けられたものだ。しかし、実際に登録をしている飼い主は、全体の一部。板橋区の場合は、推定飼い犬頭数の3割程度しか登録されていないのだという。小林氏によれば、考えられる主な原因は「登録するのが面倒」「ペット禁止の住居で隠れて飼っているので登録ができない」「そもそも登録制度の存在を知らない」といったところらしい。

そこで登場したのが「犬の住民票」。登録は面倒でも、愛する“家族”の「住民票」なら欲しい! という気持ち、犬を飼ったことがある人ならわかるはず。今回のアイデアは、そうした飼い主の心理を巧みに突いた試みだった、というわけなのだ。

「現在まで500頭以上の犬に『住民票』を発行しています。これをきっかけに登録を行ってくれた飼い主の方も多数います」

ちなみに「犬の住民票」のために区が用意した予算は、10万円程度。経済的にいえば、費用対効果の非常に高いアイデアといえる。面白さと実利を兼ね備えた今回のサービス。ほかの自治体にも広がるといいよね。
(石井敏郎)


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