総理交代直後に民主党惨敗

「熱しやすく冷めやすい」は国民性? 内閣支持率が乱高下するワケ

2010.07.15 THU



写真提供/ロイター/アフロ
参院選で大敗を喫した民主党。内閣支持率の推移を見ても、民主党に向けられた「民意」は大きく揺れ動いているように見える。

鳩山内閣末期には10%台まで落ち込んだものの、菅内閣発足で支持率はいったんV字回復。が、消費税増税の方針を打ち出すや、またまた下落…。

このように乱高下する内閣支持率をどのように読み解けばよいのか。はたして熱しやすく冷めやすい国民性によるものなのか。計量政治学を専門としている東京大学特任准教授の菅原琢氏に尋ねると――。

「首相が交代したときに、内閣支持率が回復するのはごく当然の現象です。自民党の安倍内閣、福田内閣、麻生内閣だって、あれだけ短命のなかで交代したのに、内閣支持率はV字回復しています。そもそも新しい首相は、業績もまだないわけだから、有権者の側も支持しない理由を見つけづらい」

菅原氏によれば、内閣支持率は首相の人柄や言動が評価のモノサシになるため、振れ幅が大きくなりがちだという。消費税発言で、菅内閣の支持率がガクンと下がったのもそのためか。

「一方、民主党の政党支持率の振れ幅は小さい。第1党となった参院比例区の得票率は政党支持率に近く、選挙結果を正確に予測していたと言えます」(菅原氏)

なるほど。たしかに政党支持率は内閣支持率に比べて変動は小さい。政党支持率に着目すれば、有権者の動向は無節操とはいえないようだ。

「海外に比べて日本人の世論が移ろっているように見えるのは、90年代以降、政治家主導の政党の離合集散が激しく、政党と有権者に距離が生じており、特に無党派層の多い若年層を積極的に支持層に取り込もうという政党がないためでしょう」(菅原氏)

英国や米国の世論調査では、支持政党がない人の割合はせいぜい1割程度。無党派層が4~5割を占める日本は「熱しやすい」どころか、まだまだ「熱せられていない」状況なのかもしれない。
(高砂泰也)


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