オトコとオンナの法律講座

第10回 離婚にはどんな手続きが必要?

2010.08.10 TUE

オトコとオンナの法律講座


親権を欲しがる父親は多いものの、母親の育児能力によほど大きな問題がない限り、基本的に母親が親権者として優先されます イラスト/清野とおる

まずは夫婦間の話し合いから。裁判は最後の手段



厚生労働省によると、「平成17年に結婚した人と離婚した人の割合は1対0.3」で、「この割合が今後も変わらないと仮定すると、結婚した人の約30%が離婚することになる」らしいです。独身のぼくからすれば「こちとら結婚すらままならないってのに簡単に離婚してくれるもんだ」なんて思っちゃいますが、もちろん離婚の手続き自体は簡単ではありません。

弁護士ドットコム・山本尚宏さんによれば、離婚の相談に訪れる夫婦がまずもめるのが親権だそうです。一般的に、「子供は母親に育てられた方がいい」という経験則から、母親が親権者として優先されます。でも、父親だって子供と暮らしたいですから、そこで親権の取り合いなるんですね。

このとき、子供の意思は「ある程度は尊重される」ものの、明確な法律がないため、結局は「長い目で見て、その子がより健全に育つ可能性が高い方」に託すしかないのだとか。もっとも、母親が育児放棄をしていたなど特別な事情がない限り、父親が親権を得るのは難しいそうです。

親権の次に問題になるのがお金、すなわち慰謝料、財産分与、養育費ですね。慰謝料は、たとえば浮気をしたなど、婚姻中に落ち度のあった方に支払い義務が生じます。これに対して財産分与とは、落ち度の有無にかかわらず、夫婦の蓄えや夫婦で使っていた家具など共有の財産を折半すること。「共有」ですから、個人名義の預金や個人の趣味で買った美術品などは対象外。養育費は、どちらに親権があるかは関係なく、子供が社会人として自立するまでは双方が分担しなければならないそうです。 最後に、離婚は、役所が離婚届を受理したときに成立します。当然、届け出には夫婦の合意が必要で、どちらか一方がこれを拒めば離婚届を提出しても離婚は無効です。じゃあ、合意が得られなければ即裁判かというとそうではなく、日本の法律は「調停前置主義」をとっており、以下のステップを踏むそうです。

協議離婚:夫婦で話し合い
調停離婚:夫婦の一方が同意しなければ、裁判所が間に入って話し合い
裁判離婚:上記すべてが不成立で、かつ民法に定める離婚原因があれば裁判
(場合によって調停離婚後に審判離婚が認められることがある)

裁判離婚は、夫婦の一方に離婚意思がなくても強制的に別れさせる最後の手段。ここに至るまでもめ続ける夫婦は全体の1%程度だそうですが、調停でも相当の労力が要ることでしょう。結婚するときは離婚の手間も考えて慎重に…なんて助言は野暮ですかね。 あなたが経験した恋愛トラブルを法的に診断します! 下記のボタンから投稿ください。

オトコとオンナの法律講座の記事一覧はこちら

取材協力・関連リンク

関連キーワード

注目記事ピックアップ

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト