乗り切るには剛腕が必要?

海外では珍しくないけど… ねじれ国会の行方はいかに

2010.09.16 THU



写真提供/大藤
民主党代表選も終わり、間もなく臨時国会が召集される。となると、今後問題になるのが「ねじれ国会」。この「ねじれ国会」とは、衆議院と参議院で過半数を占める政党が異なる状況のこと。与党が衆院で法案を可決しても過半数割れしている参院では否決されてしまうわけで、07年7月以降の「ねじれ国会」では安倍内閣や福田内閣の早期退陣の一因ともなった。しかも、当時は与党が衆院で3分の2以上の議席を持っていたので衆院で法案の再可決も可能だったが、今回はそれもできない。そのため「法案が1本も通らなくなる」と心配する声が上がっているのだ。

もっとも、この「ねじれ国会」、ほんとうにそれほど異常な事態なのだろうか。政策研究大学院大学・竹中治堅教授の『参議院とは何か』によると、戦後の日本で「ねじれ」が生じたのは今回をのぞいて過去に4回。じつに通算16年間にも及ぶという。また諸外国をみても、米国も大統領と議会の多数派の党派が異なる一種の「ねじれ」だし、フランスでも大統領と議会に選出される首相の党派が違う「ねじれ」が頻繁に起きている。英国やドイツでもやはり「ねじれ」はめずらしくなく、政治のシステムに違いはあるにせよ、政府のトップと議会の多数派は必ずしも一致するとはかぎらないのである。

ただし、「ねじれ国会」の場合、予算は「衆議院の優越」によって成立できても関連法案が通らなくなったりと、政権運営が難しくなるのも事実。とはいえ、多数派による単純な採決だけが議会ではない。実際、フランスでは80年代以降、「ねじれ」によって議会が混乱し、政策決定に当初時間がかかったが、審議過程が透明化したことで評価もされるようになった。米国のオバマ政権も、上院で与党が安定多数を割ってしまったことで最大の課題だった医療制度改革法案の審議が難航したが、長い時間をかけて野党と交渉した結果、成立にこぎつけた。「ねじれ国会」には悪い面ばかりじゃなくメリットもあり、なにより、これは選挙による民意の結果でもあるのだ。
(押尾銅山)


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