社会性とやらを生物に学べるか?

第4回 クロコンドルの浮気監視社会

2010.09.21 TUE

社会性とやらを生物に学べるか?

彼女や奥さんがいても、つい浮気してしまう…そんな人っていますよね。複数の相手と付き合うことは、一夫一妻制の日本では道徳的な問題となりますが、動物の世界はどうなんでしょうか。

たとえば鳥類はほとんどが一夫一婦制。そして、こちらも人間と似ているのか、DNAを調べたら不倫が発覚したという例もあるようです。ただ、なかにはそんなルール違反を許さない厳しい鳥も。それは、南北アメリカ大陸に棲息するクロコンドルです。パートナー以外の異性と関係を持とうとすると、パートナーだけでなく、周りにいるクロコンドルからも攻撃されてしまうといわれています。

浮気をさせない監視社会…ちょっと恐ろしい気もしますが、浮気する個体がいると、ほかの個体になにか不都合でも生じるんでしょうか。日本動物科学研究所所長の今泉忠明先生に聞いてみました。

「その理由として考えられるのは、人間のような『道徳的なもの』ではありません。オスとメスの個体数の比率が1:1に限りなく近いため、浮気をする個体が存在すると、そのバランスが崩れてペアになれないものが現れるということではないでしょうか」(今泉先生)

人類でもなかなかペアを組めないと、同じ理由で憤りを感じることがありますね。では、クロコンドルが浮気を監視してまで、同じ相手とペアを組み続けることにはメリットがあるんでしょうか。

「たとえばハクチョウなどはペアを替えずに同じ相手と生涯をともにします。これは繁殖期のたびに連れ合いを探してさまよったり、闘争したりする無駄を省くのに役立つからといわれています。クロコンドルの場合、ほかの個体が一度できたペアを続けるよう『無理強い』するわけですから、群れ全体が『非暴力』『省エネ』を考えている…ということになりますね」(同)

ちなみに、今泉先生によると、ほかのコンドル類が絶滅の危機にあるなか、クロコンドルは数を増やしている種なのだそう。これは、浮気を防ぐ社会も関係しているのでしょうか。浮気を防ぐことでしっかり卵やヒナの面倒も見ることになりそうですし…。

「もしかしたら関係しているのかもしれませんが、生態学者はクロコンドルが人のゴミ捨て場に適応したことで、大都会周辺で増加していると見ていますね」(同)

浮気防止ではなくゴミ捨て場への適応が増加の原因でしたか。ゴミ捨て場といえば、ボクら人類は浮気がばれると相手からゴミのように捨てられる可能性があります。クロコンドルのような仲間の監視がなくても、気をつけたいところです。 取り上げて欲しい動物、ご意見などありましたら投稿ボタンよりおねがいします。

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