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日中関係悪化で“友好の証”パンダどうなる?

2010.09.27 MON

沖縄県・尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁の巡視船と衝突した事件で、那覇地検は25日未明、公務執行妨害の容疑で逮捕した中国人船長を処分保留のまま釈放した。那覇地検によると「国民への影響と今後の日中関係を考慮」したうえでの釈放決定とのこと。しかし中国外務省は、逮捕・勾留は不法だったとして、日本に対して謝罪と賠償を求める声明を出しており、中国側の強硬姿勢は続いたままだ。

今回の事件により、日中関係は急速に悪化。SMAPの上海公演延期や、25日から東京・有明で始まった「世界旅行博」への中国の出展中止など、民間レベルでも様々な分野に影響を与えている。そんななか、気になるのが日中友好の証ともいわれる「パンダ」だ。

現在、日本では和歌山県のアドベンチャーワールドに8頭、兵庫県・神戸市立王子動物園に1頭のジャイアントパンダが飼育されているが、いずれも所有権は中国にある。また、東京・上野動物園では中国からジャイアントパンダ2頭をレンタルし、来春に一般公開する準備を進めている。日中関係が緊迫することで、日本に貸し出されているパンダに返却要請がきたり、レアアースのように事実上の“禁輸”措置が講じられる可能性はあるのだろうか。

神戸市立王子動物園によると、日中関係がパンダに与える影響は今のところ「まったくない」とのこと。かつて「パンダ外交」ともいわれ、中国政府が相手国に「友好の証」としてパンダを贈呈することもあったが、現在はそうした政治的色彩も薄れている。すべて中国からのレンタルとはいえ、パンダを政治的な“道具”とみなし、「関係が悪化したから返せ」というようなことはないという。

折しも王子動物園では今月9日、飼育していたジャイアントパンダのコウコウ(オス14歳)が急死。精子採取のために麻酔をかけたところ、目覚める途中に心肺停止状態となったもので、16日には同園と共同繁殖研究を行っていた中国野生動物保護協会の専門家チームがコウコウの死因を調査するために来日しているが、日中関係の悪化がこの調査に影響するようなこともなかったという。

どうやら現時点では、事件を機に緊迫した日中関係が、日本で飼育されているパンダに影響を及ぼすことはないようだ。しかし、中国側が強硬姿勢を崩さないこの状況では、今後何らかのアクションが起きる可能性も否定できない。「友好の証」だけに、上野動物園のパンダ来日時期なども含めて、今後の展開が気になるところだ。

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