STOP身近な軽犯罪!

第2回 釣りの穴場は逮捕の危険も?

2010.11.30 TUE

STOP身近な軽犯罪!


禁止、なんていわれると余計に興味がわいてしまうこともありますが…。そこでSTOP! 画像提供:s16 / PIXTA(pixta.jp)

立ち入り禁止場所に入ると何の違反?



道具とエサさえあれば、何も有料の釣り堀や釣り船を利用しなくとも、その辺の海や川で十分楽しめる釣り。そんな時、はからずも踏み越えてしまうのが、防波堤や水道施設などに掲げられている立入禁止看板。暗いうちから出かけたせいでうっかり注意を見逃したり、あっちはほかに釣り人もいるし釣れそうだとその場のムードに呑み込まれて、つい柵をまたいでしまったり…。

「でもそれは軽犯罪法第1条32号違反です。軽犯罪法違反の罰則規定はすべて共通なんですが、逮捕されると拘留または1000円以上1万円未満の科料に処せられる可能性があるんですよ」

とご解説いただいたのは、弁護士ドットコムの山本尚宏さん。では早速、軽犯罪法の第1条32号を引用しましょう。

“三十二 入ることを禁じた場所又は他人の田畑に正当な理由がなくて入つた者”

入ることを禁じた場所、つまり立入禁止エリアや、他人の所有する田畑に、ちゃんとした理由もなく入るのはいけませんよと。でも、子どものころなんか近所の田んぼにガンガン入って遊んでましたけど…。

「この規定には、刑法の『住居侵入罪』で処罰できないケースを補完しようとする意図があると見られています。なので住居侵入罪が保護している人が住む家屋やその周りの庭以外の、離れた場所にある田畑なども保護しようというわけです。軽犯罪法が成立した時代は物資不足だったことから、農作物の盗難や損壊防止といった目的もあったようですね」 最近では高級農作物の盗難事件なんかもありますから、盗難を未然に防ぐためには今でも有効なのかもしれませんね。まあ、田畑は納得として、その前の「入ることを禁じた場所」って、例えばどんな場所があてはまるんでしょうか。

「これはその場所を管理している人が、立て札や看板、縄張り、柵などで『立入禁止』や『釣り目的の入場禁止』などの意志表示をしていれば、私的公的にかかわらず対象場所となります。釣り以外の身近な例でいうと、例えば営利目的の販売やストリートライブでの入場を禁止している広場に、そうした目的で立ち入る場合などがあたります。また、芝生への進入やスケボーや自転車での入園を禁止している公園など、これらに反した立ち入りも含まれますね」

ただし、この対象場所となるには誰もが認識できるような形での「意志表示」が欠かせないのだとか。どうりで街中には何かと禁止の注意書きが多いわけだ。

なお、調べてみるとこの32号は軽犯罪法の中では適用されやすい規定でありまして、特に高波や増水などで危険と見なされている防波堤では釣り客の一斉摘発が行われることがあるようです。実際、神奈川県横浜市水上署が禁止区域違反で釣り客を逮捕・書類送検した数は07年で78人、08年88人、09年84人(朝日新聞)と決して少なくはありません。

一度逮捕されてしまうとたとえ書類送検でも、事情聴取だ指紋押印だ写真撮影だで数時間は拘束されてかなりのダメージを食らってしまいます。わりと身近な法律違反として認識されておいた方がよいかもしれませんね。 感想、コメントなどありましたら右下の投稿ボタンからおねがいします

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