今さら知っとく自衛隊/第9回

自衛隊ってどんな食事をとっているの?

2011.07.19 TUE


自衛隊の飯ごうの使い方は、なんとお皿代わりだった!? 演習場に水道はないから、サバイバルの教えに出てくる容器にラップやビニールをかぶせて節水、というのもずっと前から当たり前にやっていたとのこと イラスト/ホリユウスケ
「ミリメシ」というものをご存知でしょうか? 最近ちょっと話題の、要はミリタリー(軍隊)の飯のことなのですが。テレビや雑誌などで取り上げられるときは防災意識の高まりもあってか、携行用の缶詰やレトルト食品についてのみ言及されることが多いようです。では、ふだんの自衛隊員はどんな“ミリメシ生活”を送っているのでしょうか?

「海上自衛隊には食事を専門に作る職種があり、彼らがそれぞれの船の厨房で調理します。船によって日々のメニューは異なりますが、私が乗っていた船では焼き魚、それもなぜか鰆(サワラ)が多かったですね」(元海上自衛官)

「航空自衛隊も専門職種の隊員が作る食事を基地の食堂でとります。私は各地の基地にいたことがありますが、基地ごとに特色がありましたね。浜松では毎週うなぎが出ましたし、福岡では毎朝明太子、沖縄ではゴーヤチャンプルーやソーキそばが出ました」(元航空自衛官)

食事のみを専門に作る隊員がいる海空に対し、陸上自衛隊は少し事情が異なっていた様子。

「陸自では各部隊から一定期間、隊員を駐屯地の食堂に交代で差し出す形で食事を作っていました。陸自は海自や空自の様に艦艇や基地などの拠点を設けず、野外での活動を基本とするので、調理も覚えるべき技能の一つ、ってことですかね。ただ最近は効率化を図るため、大部分を部外に委託しているようです」(元陸上自衛官)

陸上自衛隊は基本的な行動が野外になる、ということは野外訓練に出たときは、当然飯ごう炊爨(すいさん)をしたり、缶やレトルトのいわゆる“ミリメシ”を食べているのでしょうか?

「私の知る限り、陸上自衛隊で訓練中に飯ごうでご飯を炊いたという話は聞いたことがありません。訓練はたいがい駐屯地近くにある演習場で行われていますから、よくあるのは『温食』といって、係りの隊員が駐屯地の食堂に用意された大きな容器を取りに行き、演習場に戻りみんなで分けて食べる、という流れです。確かに飯ごうは各自携行しますが、取り分けるお皿としてしか使っていません」(同上)

えっ、飯ごう炊爨(すいさん)は全くやらないんですか!? 意外。でも、もし実戦となったら、食堂から都合よく温かいご飯なんて届かないと思うのですが…その訓練で大丈夫なんですか?

「はい。そこで登場するのが、缶やレトルトなど携行できるいわゆる『ミリメシ』です。自衛隊では『戦闘糧食』が正式の呼び名ですが。温食がメインとなる簡易な訓練よりも、さらに一段階上の実戦性を追求する訓練がありまして、その時はこれを各自携行することになります」(同上)

その訓練は、実戦という設定下に身を置くため、決まった食事時間に腰を据えて食事が出来るとは限らず、移動中のわずかな時間にレトルトのカレーをパッケージから直接吸って済ませる、なんてこともあるみたい。

そんな生活をしているせいか早食いが身についてしまい、自衛隊以外での食事の席で変な目で見られるという隊員もいるんだって。いろいろ大変だなあ…。

(即応予備自営ライターU)

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