今さら知っとく自衛隊/第11回

自衛隊は資格取り放題って本当?

2011.08.02 TUE


自衛隊独自の資格はさまざま。陸上自衛隊ではMOS(モス)と呼ばれ、重ねて持っているほど“デキる自衛官”と言えるみたい。イラストの「ポリッシャー」は、隊員間で言われている冗談 イラスト/ホリユウスケ
「自衛官は資格が取り放題!」なんて話を耳にしたことはありませんか? 衣食住タダの上に、資格までタダでじゃんじゃん取らせてくれるとか…。本当ならばずいぶんおいしい話ですが、結局のところ尾ヒレのついた噂のようです。

「私も『取り放題』を期待して入隊したクチですが(苦笑)、実際は自分の職務に関係ある資格しか、まず取らせてはくれません。例えば人や物を運ぶのが職務上必要な立場になって初めて普通免許、けん引免許、大型免許などを取らせてくれるわけです」(元自衛隊Uさん)

あらら、現実は厳しいんですね。車両免許取得の際には、自衛官も民間の自動車教習所に通うんですかね?

「いえ、たいがいの駐屯地、基地には自衛官だけ(例外あり)が通える『自衛隊自動車教習所』がついているんですよ。ちゃんと教習用のコースもあって、教官も自衛官です。だから、通うのには便利でも自動車教習というよりも免許取得“訓練”という感じで厳しいですよ」(元自衛官Iさん)

ちなみに戦車は大型特殊免許で動かせるという話を聞いたことがあるんですが、本当なのでしょうか?

「ちょっと認識が違うかもしれません。たしかに免許も必要ですが、自衛隊の車両を運転するには特殊な運転技術も必要ですから、自衛隊独自の資格も必要になります。民間で取った免許があるからといって、自衛隊で即そのまま使えるわけではないんですよ」(元自衛隊Iさん)

なるほどね。整備された道路だけを走るわけじゃないですもんね。では銃についてはどうなのでしょうか。歩兵に限らず自衛官としては銃器の扱いは基本のキのはず。ってことは、銃を扱う資格はもれなくついてくるのかしら。

「誤解されている方が多いですが、そもそも“銃の資格”というもの自体がないんですけどね(一般でもあるのは所持や狩猟の許可)。まあいずれにせよ自衛官は、職務上においてはそれらに縛られることなく銃を扱うことを認められているんです。そのため退官した自衛官はもちろん、現役隊員も職務外では銃を扱うことはできません。個人的に所持、狩猟の許可を取らない限りは」(元自衛隊Tさん)

ちょっと意外。まあ、そもそも銃の所持について勘違いしていたのですけどね。

複数の元隊員たちに他にもいろいろ聞きましたが、とにかく「資格だけにつられるな」「過度な期待はしない方がいい」という意見が多数でした。ただ、退職直前には就職援護という意味もあり、資格を取るための時間については部隊でけっこう融通してくれるようです。

いずれにせよ資格を取ることだけを目的とした、勘違い入隊はダメってことですね。

(即応予備自営ライターU)

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