今さら知っとく自衛隊/第12回

サラリーマンと自衛官が両立できるって本当!?

2011.08.09 TUE


普段は会社員、有事の際には自衛官! と聞くと、ちょっとカッコいいけど職場では肩身の狭い思いをしている隊員もいるみたい… イラスト/ホリユウスケ
東日本大震災では現役の自衛官に混じり、「即応予備自衛官」という人たちが初めて災害派遣に招集されたことをご存じだろうか。この即応予備自衛官とは一般企業などで働きつつ年間30日の訓練を受け、有事の際には常備自衛官と共に行動する存在だ。また年間5日の訓練をこなし、有事の際には後方支援の任務をあたえられる「予備自衛官」という制度もある。

普段は一般企業などに勤めながら、有事の際には自衛官として活躍することができるという部分にあるいは「できるものなら自分も…」と興味を持つ方もいるかもしれない。

かつては予備自衛官、即応予備自衛官になるには現役自衛官として1年以上の勤務実績が必要だったが、02年に「予備自衛官補」という制度ができた。ここで定められた訓練日数と最終試験をクリアすれば、今の職業に就いたままで予備自衛官になることができるようになっている。(今のところ即応予備自衛官にはなれない)

採用資格などは防衛省のHPなどをあたっていただくとして、ここからは現場の話を聞いてみよう。

予備自衛官補にはどんな人が多いの? 

「予備自衛官補の採用枠には特定の技能、資格が必要な技能枠と、そうでない一般枠があり、それにより異なりますね。私の入った一般枠では大学生が一番多く、次に私のようなサラリーマンの順でした。面白いところでは、地方議員、女優、大学教授、飲み屋の女将もいましたよ」(予備自衛官補Sさん)

へえ、それはちょっと意外ですね。では、大変なのはどんな場面?

「自衛隊独自の用語にとまどうことと、あとはやはり体力面ですね。普段はデスクワークなので最初はとにかくキツかった。あるとき『どこか痛いところはないか?』と聞かれたので、筋肉痛ですと答えたら『動けば治る!』と怒鳴られたのは衝撃的でした(笑)」(予備自衛官補Sさん)

いかにも“自衛隊”といった感じのエピソードですね。では、一方の即応予備自衛官の方はどうなんでしょ。

「体力面よりも大変なのは仕事の調整ですね。なるべく土日を利用してはいますが、平日に行われる訓練もあるため、会社を休んで参加せざるをえません。そのしわ寄せが同僚に行くこともあり、正直イイ顔されないことも…」(即応予備自衛官Uさん)

体力は自分の頑張りで解決できますが、周囲の理解となるとどうにもなりませんもんね。しかし、なんでそこまでして自衛隊にかかわっているのでしょうか?

「結局のところ単に自衛隊が好きなんですよ(苦笑)。まあカッコつけて言わせてもらうと、我々には民間の人が持ち得ない経験と知識がありますし、限られた日数とはいえ現役で訓練もこなしています。そのような存在が常備自衛官のように囲いの向こうではなく、民間の中で生活を送っているということに意義を感じているから…というところでしょうか」(即応予備自衛官Uさん)

普段は一般社会人として働き、なにかあれば自衛官に変身する。彼らには“予備”という存在であること以上の役割があるのかもしれません。もし、あなたの職場に彼らがいたなら、理解ある目で見守ってあげてくださいね!

(即応予備自営ライターU)

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