工事がはじまれば都内道路の渋滞は必至

完全封鎖も?「首都高」改修の行方

2012.04.19 THU


地震対策・景観保護の観点から、首都高を地下化する案も検討されている。費用が桁違いにかかることもあり、今後の議論の行方に注目だ
画像提供/時事通信社
首都圏の大動脈・首都高速道路が老朽化のため大規模な改修を検討している。調査委員会メンバーで東京大学教授の藤野陽三先生に詳しい話を聞いてみた。

「首都高全長の約5割が建造から30年以上、3割が40年以上経過しています。高度経済成長期に車の数が爆発的に増えたことで想定より老朽化が進み、放っておくと高架の一部が落下するなどの危険性もあります」

最も古い都心環状線などは、東京オリンピックに向けて、昭和30年頃に造られたもの。その後、東名高速道路との連結で重量の大きなトラックが多数通過するようになり、建設当時の想定を超える過酷な使用状況下にあるんだとか。傷みの激しいルートの改修は、その費用も大変な規模になりそうだ。

「2車線の高架橋を更地に新設する場合、1kmあたり100億~150億円かかるとされています。造り替えには現存の高架の取り壊しや一時的な交通路の確保などの諸費用を含め、その倍の金額がかかるでしょう。渋谷ー用賀間の約8kmだけでも2000~3000億円かかるといわれており、首都高全体にかかる改修費用は莫大なものになることが考えられます」

改修にかかる期間も大きな問題だ。具体的な試算はまだ行われていないものの、首都高を完全に封鎖した場合は半年。断続的な封鎖を実施しながら進めた場合は10年ほどかかる可能性があるという。

また、どちらの方法でも改修工事が渋滞を引き起こすことはほぼ確実。湾岸線や山手トンネルなど近年いくつかの新ルートが開通してはいるものの、都内道路の渋滞や物流への影響は大きくなりそうだ。

いずれにせよ改修計画はまだ検討が始まった段階。余波をうける様々な問題も議論し、年内には方針を決める予定だという。渋滞は嫌だけど、老朽化対策は避けて通れない課題。今後の安全が約束されるならしばらくの我慢は仕方ないかも?
(有栖川匠)


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