各国にチャイナタウンはあるけど…

なぜ中国人は国外に出て行ったか?

2012.09.24 MON


カナダのバンクーバー郊外にあるリッチモンド市。ここは住民の大部分が中国人で、市全体がチャイナタウン的様相とか 写真提供/山下清海
2008年の北京オリンピックや今年の上海万博など、世界から注目される中国。R25世代のなかには観光に行った人もいるだろうし、そうでなくとも国内の中華街に遊びに行ったことぐらいはあるはず。でもここでギモン。中国人街(チャイナタウン)は世界中にあるといわれるけど、なぜ中国人は世界中に移り住み、自分たちのコミュニティを作っていったのだろう? 日本華僑華人学会の会長で、『チャイナタウン-世界に広がる華人ネットワーク-』など、中国人街に関する多くの著作を持つ山下清海先生に聞いた。

「中国人は一般的に『豊かになりたい』という欲求が、どの民族よりも強いからではないかと思います。日本は島国なので、国外に住むことへの抵抗感が中国人より強いのかもしれませんが、中国人はより多くの収入を得るためなら、海外でも構わず渡っていくのです」

ただし中国人は、家族が離れ離れに暮らすことには抵抗感を覚えるとか。そこで、渡航先で収入を得た者が親などを呼び寄せ、一家で暮らすことにより定住者が増加。さらに、同じ文化や言語を持つ者で集まったほうが生活しやすいとの考えから同じ民族同士で固まって暮らすようになり、中国人のコミュニティが作られていくという。

ところで、チャイナタウンは日本や欧米以外だとどんなところにあるの?

「アフリカや中東、南米にもありますよ。これらの地域にはリスクもありますが、それ以上にビジネスチャンスがあるからです。珍しいところでいえば、パプアニューギニアの首都ポートモレスビーや、モーリシャスの首都ポートルイスなど、南半球の島国にもありますね」

山下先生によると、海外へ出る中国人が急増したのは、1978年末に実施された改革開放政策による中国の急速な経済発展以降とか。豊かになった中国人は郊外に新たな街を作る傾向があり、例えばロサンゼルスの東の丘陵地には、中国人富裕層が多く住むニューチャイナタウンが複数あるという。もしかすると、今後中国の経済成長がさらに進んだら、横浜や神戸の郊外にも、新たな中国人街が作られるのかも。
(中山秀明/GRINGO&Co.)

※この記事は2010年11月に取材・掲載した記事です

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