川崎市宮前区=ヘビメタ!?

全国のユニーク町おこしエトセトラ

2013.01.16 WED


「宮前重金属発掘計画」は宮前区政30周年をきっかけに、自治体と市民が共同でスタートさせたプロジェクト
昨今、日本各地でアイデア豊かな町おこしの取り組みが加速している。神奈川県川崎市宮前区では、ヘビーメタルの精神を地域活性に取り入れた「宮前重金属発掘計画」がスタート。一つの道に熱い情熱で取り組み続ける市民を「鉄男(メタルマン)」として発掘し、町を盛り上げている。

各地の事情に詳しい内閣府地域活性化推進室の宮崎正臣さんよれば、町おこしの主な目的は、「外部に情報発信して観光客誘致や特産品販売につなげるPR型と、地域の環境を充実させる住民満足度向上型の2パターンに分けられる」という。宮前区の取り組みは、住民満足度向上のパターンに該当するようだ。

一方、PR型のパターンも数多い。秋田県横手市は、全国展開のスーパーマーケットを巻き込んで、大根をくん製した郷土食「いぶりがっこ」のおいしさをPRする。地元の人々が年に1度のコンテスト「いぶりんピック」で自慢の味を競い合い、優勝者のレシピは「金樽」とネーミングされ、再現した商品をスーパーマーケット成城石井が販売するなど、全国に広がっている。

さらに、地元のPRと住民満足度の向上を両立させた「知多娘。」のような例もある。愛知県知多半島の若者向け就職相談サービス「ちた地域若者サポートステーション」をPRするため、萌えキャラを制作したのがプロジェクトの始まりだ。最初のキャラ「知多みるく」をWebサイトに登場させるとアクセスが急増。相談者も倍増し、今では萌えキャラが12人に増えた。地元酒造会社とのコラボ商品も生まれ、東京や名古屋でのイベントに参加するほど人気を博している。

また、町おこしとしての新たな試みでは、秋田県「医師不足・偏在改善計画策定部会」の事例もおもしろい。医師不足に悩むなかでも、秋田県内では女性医師の割合が増える傾向にあった。そこで、女性医師の定着を狙うため、地元男性との出会いの場を提供するプランが、まじめに検討されている。まだ計画の段階だが、2013年中にも県のセッティングで、女医合コン(?)が開催されるかもしれない。

冒頭の宮前重金属発掘計画でも、人気ヘビメタバンド「セックスマシンガンズ」のリーダー・アンチャンも参画し、脱法ドラッグ撲滅の動画やポスターに出演。ヘビメタならではの「シャウト」で、社会にメッセージを投げかけるなど、従来型の町おこしを越えた取り組みも活発だ。

「不況下で地方の危機意識は強い。町おこしの機運は高まっている」と、宮崎さん。今後も、斬新な町おこしが続々登場しそうだ。
(小越建典/アバンギャルド)

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