世界約30カ国では投票が“義務”

罰金も!?投票しないと罰則の国々

2013.04.18 THU


かつては投票が義務だったイタリアだが、現在は罰則規定が廃止された。民主国家では、投票は義務ではなく、棄権もできるべきだということだろう 画像提供/時事通信社
昨年の衆院選を巡り、「1票の格差」訴訟の行方が注目を集めている。だが、もう1つ見逃せない問題が「投票率の低さ」だ。小選挙区の投票率が59.32%と戦後最低を記録。せっかくの権利を行使しないなんてもったいない話だが、単に“もったいない”では済まない国もあるのをご存じだろうか。

実は、世界には投票を義務付けた国が30カ国ほどあり、なかには罰則が科される国もある。たとえばギリシャでは1カ月以下の入獄(これまで起訴されたことはない)、エジプトは500エジプト・ポンド(7000円弱)の罰金、シンガポールでは選挙人名簿から抹消されると規定されている。投票に行かないと罰金…なんてやりすぎのような気もするが、罰則付きだと投票率は高くなるのだろうか? 世界の投票事情に詳しい、東京学芸大学名誉教授・阪上順夫氏は「かつて投票を棄権すると罰則が科されていたイタリアでは、90%以上の投票率がありました」と言う。

「イタリアでは第2次大戦後、憲法の規定で投票が義務付けられ、投票を棄権した者は理由を届け出なければならなくなり、その理由が認められないと役所に名前が掲示されたり、役所発行の素行証明書に『不投票』と記載されたりしました」(阪上氏)

こうした罰則は1993年に廃止。オランダでもかつて義務投票制が施行されていたが、1970年に廃止されたという。

「現在、義務投票制を導入している国には独裁国も多く、独裁者の“信任投票”を演出するために課せられているケースも少なくないんです」(阪上氏)

もちろん、スイスのように投票義務制を採用(一部の州)している民主国家もないわけではない。ただ、「罰則で強制された投票は、国民の自由意志による投票といえるのか?」という懸念も。

やはり自発的に投票してこその参政権ということか。
(星野陽平)


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