9項目で判定。10%超が「高ストレス者」に?

企業がストレスチェック義務化へ

2014.01.16 THU


高ストレス者は、医師の面接指導を受けることができるが、会社の人事部に近い産業医では、本当のことを話しにくいのが現状だ 『週刊東洋経済』 毎週月曜発行/定価690円(税込)現在発売中の特集は「うつの正体」 撮影/吉野純治
すべての事業者に従業員のストレスチェックを義務付ける―。厚生労働省は1月下旬からの通常国会に、そんな内容を柱とした労働安全衛生法の改正案を提出し、来年度にも本格導入される見通しだ。

医師や保健師が行うストレスチェックを従業員全員が受け、「高ストレス者」と判断された場合は(本人の同意のもとで結果が事業者に伝えられ)医師との面談が実施される仕組みが想定されている。従来の健康診断が「身体」の疾病予防とすれば、今回は「心」の疾病予防といったところだ。

具体的なチェック内容として厚労省から示されているのは、「へとへとだ」(疲労)、「落ち着かない」(不安)、「気分が晴れない」(抑うつ)…など9項目。これについて最近1カ月間の状態を問われ、合計点が一定以上だと「高ストレス者」と判定される。

研究機関が11年に4000人(有効回答者2605人)の労働者を対象に調査した結果では、10%超が「高ストレス者」という判定。職種別では「運輸」「サービス」「営業・セールス」「生産・技能」の順で割合が高かった。

一方で、「高ストレス者」の認定には懸念点も指摘されている。当初、自殺増加とうつ病の関連性から同法案改正が議論されたが、これはうつ病のスクリーニングにつながって差別を助長するとの声もあり、「ストレス」を基本に据える方針に変わったという経緯もある。しかし、実態は“うつ病チェック”と同じだ。

ブラック企業ではうつ病に仕立てて退職に追い込むケースもあるというし、新卒や中途の入社試験でも同様のストレスチェックの導入は増えている。ある大手企業の人事部長は、「チェックで少しでも問題の点数が出たら必ず落とす」と断言する。

ストレスに弱くても才能がある人材は、どうすればいいのだろうか。
(冨岡 耕/『週刊東洋経済』)


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