「海外の農産物には不安」の声も6割超

若手6割「高くても国産がいい」

2015.05.28 THU

世論調査


「海外産を輸入すべき」派のなかには、「海外でも良いものはたくさんあると思うから」(34歳)、「海外産はすべて質が悪いとは限らないから」(29歳) などのコメントも
TPP(環太平洋連携協定)交渉が大詰めを迎えている。交渉参加国が輸入品に課している関税や規制を原則撤廃することで、市場開放を促すこの交渉。日本にとっては輸出しやすくなる製品が増える半面、これまで関税で保護してきた国内農業が打撃を受ける。

しかし、これはあくまで「生産者」目線での話。「消費者」目線で言えば、関税が撤廃されて輸入農産物の価格が下がるなら歓迎! という声もある。一方で、国内農家が廃業に追い込まれれば、いざという時に食料危機を招くリスクが高まる。それは一消費者としても不安だし、懸念する声があるのもうなずける。高い農産物を買うことになっても国内農業を保護すべきか? 価格が安くなるなら国内農業がダメージを受けても海外産品に門戸を広げるべきか? 20~30代の男性社会人200人にアンケート調査してみた。(協力/アイリサーチ)。

〈今後の日本の農業、あなたの考えに近いのはどっち?〉
・「高くなっても国内の農業を保護すべき」派 60.0%(120人/200人)
・「安くなるなら海外産を輸入すべき」派 40.0%(80人/200人)

TPP交渉では、「コメなど重要5品目は死守」しようとしているものの、市場開放は既定路線。ところが今回の調査では、「国内農業保護」派が6割と多数派に。それぞれから寄せられた意見をご紹介しよう。

●「高くなっても国内の農業を保護すべき」派の意見
「国内に雇用を生み出し、国防の観点からも自給自足の力は必須だから」(39歳)
「海外から輸入できない状況になった時に、自給率が低いと困るから」(31歳)
「輸入に頼ってばかりでは国内の農業の技術的衰退も招く」(32歳)
「いざというときに困ることになるような気がするから」(39歳)
「日本の物は、世界一安全だと思うから」(37歳)

●「安くなるなら海外産を輸入すべき」派の意見
「競争をさせなければ、高品質のサービスは生まれない」(29歳)
「国内の生産力が向上するから」(34歳)
「値段が重要」(28歳)
「保護しすぎて発展していないため」(32歳)
「やはり安いに越したことはない。もちろん安全であることは言うまでもないが」(39歳)

「国内農業保護」派の意見で目立ったのは、自給力に加えて「食の安全性」を求める声。安くても、輸入農産物の安全性に不安を感じてしまう人は多いのだろう。実際、普段の買い物で気にするかことがあるか尋ねてみると、こんな結果に。

〈海外から輸入される農産物の安全性に不安を感じて、購入をためらったり避けたりすることはある?〉

「購入をためらったり避けたりすることがある」派 61.5%
「購入をためらったり避けたりすることはない」派 38.5%

前問で「安くなるなら海外産を輸入すべき」としていた80人も、そのうち4割にあたる32人が「避けたりすることがある」と回答。関税撤廃による輸入品の値下げを支持する半面、海外産の安全性に不安を抱えている人が少なくないことも明らかになった。

とはいえ、重要5品目(米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、砂糖)を除き、輸入農産物の関税撤廃は避けられない見通しだ。交渉がどんな形で決着するか、僕らにとっても他人事ではない。

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