いったいどうなる中東和平

アラファト議長死去で注目のパレスチナ問題の原因とは?

2004.11.25 THU

パレスチナ自治政府のアラファト議長が死去したことで、「中東の火薬庫」ともいえるパレスチナ問題はますます先が見えなくなった。なにしろ、アラファト議長といえばイスラエルへの抵抗の象徴として35年間にわたってパレスチナを率いたカリスマ的指導者。それだけに、パレスチナでは新体制やPLOパレスチナ解放機構、イスラム過激派が和平をめぐって対立しつつあり、とてもブッシュ米大統領のいう「4年以内にパレスチナ建国」など実現できそうな状況ではないのだ。

だとすると中東和平はこれからどうなるのか。ひとついえるのは、アメリカが介入してパレスチナとイスラエルに無理やり握手をさせてもこの問題は解決しないということ。パレスチナ問題とは、アラブとユダヤの3000年に及ぶ歴史であると同時に、大国に翻弄され続けた歴史でもあるからだ。

実際、パレスチナと呼ばれる地中海東岸の地域が、かつてユダヤ教、イスラム教、キリスト教という3大宗教を誕生させ、さまざまな宗教的対立、民族対立を招いたのは事実だが、パレスチナ問題をここまで複雑にした本当の原因はイギリスの帝国主義とある。パレスチナは16世紀から400年にわたってオスマントルコの領土だったが、イギリスは自分の植民地にするため第一次世界大戦でアラブとユダヤ双方に協力を求め、そのうえ見返りとしてどちらにも建国や独立の支持を約束したのである。そしてユダヤ人はパレスチナに移住を始め、1947年の国連によるパレスチナ分割決議案の翌年に独自にイスラエル建国を宣言、現在の悲劇的な状況が生まれた――。

大国のゴリ押しはこれだけじゃなく、国連の分割決議案を後押ししたのも、アメリカ、ソ連の超大国で、その後の中東戦争ではイギリスに加えフランスまで参戦。つまり中東の火薬庫に火をつけたのも、消そうとしているのも、いずれも部外者の大国というわけで、その意味ではパレスチナ問題を知るというのは欧米列強の本質を知るということなのかもしれない。

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