中国「反日暴動」の原因のひとつ

拒否権なし・ODA増額でも目指す国連安保理常任理事国入りの行方

2005.04.27 WED

日本の国連安保理常任理事国入りを実現すべく、小泉首相や町村外相が会合や会談に飛びまわっている。アナン国連事務総長が日本の常任理事国入りを示唆したり、アメリカやオーストラリアも日本支持を表明するなど何かと順調だったなか、しかし、このところ逆風が日本政府を打っている。

中国と韓国が日本の常任理事国入りに反対を表明し、中国国内では反日運動が活発化。さらに、常任理事国拡大などの改革に「9月決着」との期限を設けたアナン事務総長の勧告に、アメリカが反対を表明。日本政府が「この夏が決戦」と描いていた票集めの戦略が、土台から崩れる危険性も出てきた。日本の常任理事国入りの進捗は「三歩進んで二歩下がる」状況だといえよう。

国連の方針では、仮に日本が常任理事国に入っても、「拒否権」が与えられないことになっている。「拒否権」とは、常任理事国のうち1カ国でも反対すれば審議が決定されないという無敵の発言権だ。小泉首相や常任理事国入りを目指すドイツなどは、「ちゃんと拒否権も下さいね」とのスタンスだ。

だが、拒否権の有無に関わらず、現実にはもはやどの国も拒否権を発動することなどできない、という見方もある。大国同士が互いに依存しあっている今のグローバル経済の中で拒否権を発動しようものなら、経済的に孤立して立ち行かなくなる危険性があるからだ。実際、イラク戦争に反対していた仏・露も結局、拒否権を発動することなく米・英の武力行使を黙認したように。

ならば、なぜ常任理事国入りは日本政府の悲願なのか。「日本は多額の分担金を国連に払ってきたから」といったお金をめぐる理由はもれ伝わってくる。一方で、常任理事国入りした日本には従来の3倍以上のODAを課すという国連の方針がある。さらに、日本が常任理事国入りしても、米の票が1票増えるに過ぎないとの他国からの批判もある。「何のために常任理事国になって、何をするのか」―結局この話題はいつもこの根本の問いにループするのだ。

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