山古志伝統の「牛の角突き」も復活

新潟県中越地震から半年震災復興はどこまで進んだ?

2005.05.12 THU

昨年10月の新潟県中越地震の際、ヘリで吊り下げられ、運び出される牛の映像を記憶している人も多いだろう。あの牛たちが5月4日、晴れの舞台で熱い闘いを繰り広げた。壊滅的な被害を受け、現在も立ち入り禁止の続く旧山古志村(今年4月、長岡市と合併)の伝統行事として知られ、国の重要無形民俗文化財にも指定されている「牛の角突き」が、長岡市内に建設された仮設の臨時闘牛場で復活したのだ。闘牛といってもギャンブル性はなく、1トンもの牛の巨体がぶつかり合う様を楽しむ「牛の角突き」は、復興のシンボルとして注目されている。

「我々が予想していた以上に多くの観客の皆さんに集まっていただけました。終了後も、次回はいつですか、ぜひ応援に行きたい、といったお電話などをたくさんいただいています」(主催・山古志観光開発公社の話)

震災復興だけでなく、災害に対する備えや、発生時の対応策の見直しも着実に進んでいる。旧山古志村では、道路の寸断や通信途絶などで被害確認と救援が大幅に遅れた。総務省は4月、この教訓をもとに大規模災害での初期情報収集に関する検討会を設置することを決定。新たな情報収集システムの構築や、夜間のヘリコプターの活用方法などを話し合っていくという。また、内閣府でも防災ボランティアの育成強化に乗り出し、被災地での拠点となる「災害ボランティアセンター」の設置・運営のノウハウをまとめた指針を作成する。民間では、三洋電機が地震の影響などで過去最大の赤字を記録したことを受け、電子部品工場などに向けた耐震技術を鹿島や大成建設が開発。企業向けの「地震リスク総合診断サービス」を開始した損害保険会社もある。

5月3日には、福岡沖玄界地震で被害を受けた玄界島の漁師たちが、博多どんたく港まつりに大漁旗を掲げ参加。順調な復興ぶりをアピールした。旧山古志村の伝統の「牛の角突き」は、初場所に3000人以上の観客を動員。11月まで毎月開催されることが決定している。  

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