小泉劇場は盛り上がったけど…

衆院選の結果から見える日本の将来とは?

2005.09.16 FRI


9.11の衆院選は自民党が圧勝。自民・公明の与党は衆院の3分の2にあたる320議席を上回った。参院が否決した法案も衆院で再議決、成立させることができ、小泉政権は絶大な力を得たことになる。

今回の選挙は小泉首相が制作・主演する「小泉劇場」と呼ばれた。郵政法案否決を受けた即時解散で幕を開け、マドンナ候補やホリエモンらの刺客を送り込んでの反対派潰し、「殺されてもいい」「改革を止めるな」などの決めゼリフ。劇中、小泉首相が連呼するテーマは「郵政民営化にイエスかノーか!?」。ハリウッド映画顔負けの分かりやすいストーリーで投票率も急上昇…。

だが、劇場を一歩出た僕らには、どんな現実が待ち構えているだろうか?

日本は770兆円という天文学的借金を背負い、少子高齢化の道を突き進む。このツケは将来、R25世代に回ってくることになりそうなのだが、小泉首相は「郵政民営化はすべての改革の入り口だ」と繰り返すばかり。財政再建、年金や医療費など社会保障改革の具体策は不透明のままだ。

早くも小泉首相の任期延長論が出るなか、首相本人は「任期は来年9月まで。在任中の憲法改正、消費税率引き上げはない」と明言している。が、任期延長した小泉首相が将来、郵政問題で反対派を封じた豪腕を、憲法改正や増税などで振るうというシナリオは十分ありえる話。たとえ任期通りに退陣しても、自民党は衆院での単独過半数を維持したまま、最長で3年、政策を展開できる。「ポスト小泉は改革の後継者だ」と小泉首相が強調するところを見ると、自民党の改革熱はとうぶん続きそうだ。

今回の選挙で、僕らは小泉改革を改めて承認した。でもそれは「お任せ」ってことじゃないよね。10月中に成立を図るという郵政民営化の具体的な進展、さらには財政再建や社会保障制度改革―野党の力が弱まったぶん、僕らはこれまで以上に、与党の提案内容をじっくりと消化し、吟味する必要があるだろう

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