戦略の違いが勝負を決めた

小泉首相から学ぶ勝てるパフォーマンス

2005.09.29 THU


9..11衆院選。なぜ自民党は歴史的大勝を収めたのか。小泉首相VS岡田前代表の戦法を分析してみよう。僕らが学ぶこともあるだろう。

勝敗を分けた最大のポイントは、「小泉首相は過去の失敗を教訓にした」一方で、「岡田前代表は成功体験から抜け出せなかった」こと。昨年夏の参院選、民主党は年金改革という争点を仕掛け、マニフェストで自民党に切り込み躍進。民主党に主導権を握られた自民党は、改選議席数で民主党を下回る敗北を喫した。だから、小泉首相の頭の中には「今回は主導権を握らなくては」という強い思いがあったはずだ。

党内の反対を押し切っての「郵政解散」に始まり、民営化反対派の切り捨て、マドンナ・著名人の刺客擁立、「国民に聞いてみたい」という直接民主主義を演出したメッセージなど、小泉首相はハデでツボを押さえたパフォーマンスを繰り出し続けた。演説の9割を郵政に割き、選挙の争点を郵政に絞ることで、郵政改革に日本の改革を象徴させた。そして「郵政民営化に賛成か反対か」「改革を進めるのか止めるのか」という二者択一を国民投票に仕立てて提示した。

「主導権」を握り技をかけ続ける「速攻力」と、イエスかノーかの二択を迫る「分かりやすさ」が小泉首相の強さだった。

一方、岡田前代表は「年金と子育て」「マニフェスト」を二枚看板とした昨年夏の参院選と同じ正攻法で戦った。が、憑かれたように郵政を連呼する小泉首相に主導権も争点も掌握され、引きずられて対案を出したものの、「民主党は支持団体の郵政労組のしがらみを断ち切れない。既得権益を擁護する抵抗勢力だ」と小泉首相お得意の構図に組み込まれる始末。「マニフェストを読んでほしい。国民を信じている」との真っ直ぐな訴えも、「郵政民営化にイエスかノーか!」と絶叫し続ける小泉首相の前ではインパクトと分かりやすさに欠けたのだった。

考えてみれば、小泉メソッドはプレゼンの極意そのもの。使えるビジネススキルの一つとして覚えておいて損はない。

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