経済金利を上げるに上げられない…

日本政府が量的緩和に賛成できない理由とは?

2005.12.08 THU

日本銀行は秋ごろから、長く続く量的緩和政策をそろそろ終わらせては、というムードを漂わせてきた。量的緩和とは、日銀の当座預金残高の目標数値を設けること。常に市場に出回るお金を増大させ、デフレを解消させて、景気を上向かせようという政策だ。2001年3月に実施され、現在の目標値は30兆円から35兆円。日銀にしてみれば、ゼロ金利も量的緩和も異常事態の政策。景気が上向けば、廃止したいと考えるのは当然。ところが、これに政府が噛みついた。

いち早くコメントを出したのは、谷垣財務大臣。「金融政策は日銀でご判断になるべきこと」と断りながら「現在もデフレの状況は緩やかながら続いている」と強調。要するに量的緩和の解除は時期尚早だとしたのだ。さらには自民党の中川政調会長も「どうやったらデフレを脱却できるのか。しっかり考えてもらわないといけない。説明責任が日銀にある」と牽制。とうとう小泉首相までもが「早いんじゃないか。まだデフレ状況だ」とコメントする事態に。

谷垣大臣が語っている通り、金融政策は日銀の専管事項。なのに政府や自民党が、どうしてこれほど敏感に反応するのか。実は理由があるのだ。量的緩和廃止の流れとは、要するに世の中に出ていくお金を減らす流れ。つまりは、金利アップの流れなのである。景気も戻ったんだから金利も上がってもいいじゃないかとも思えるが、政府はそうもいかない。なぜか。金利上昇が、国債発行を直撃するからだ。わかりやすくいえば、国債の利子の支払いが増えてしまうのである。つまり、借金のコストが一気にかさんでしまうのだ。なんたって国債発行額は数百兆。1%のアップでも、とんでもないコストアップになるのだ。

では、このまま金利は上がらないのかといえば、景気もよくなり物価も上がっていけばそうもいかないのが現実。今後はどうやってバランスを取っていくか、が問われることになる。それにしても経済の舵取りは、本当に難しい。

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