巨大与党になって国会審議が様変わり

超スピード審議で重要法案が続々成立。これで大丈夫なの?

2005.12.15 THU

「小泉劇場」が流行語大賞に選ばれたように、小泉さん率いる自民党の総選挙圧勝は今年のもっとも大きなトピックのひとつだった。しかし、来年を迎える前に、その自民党について考えておかなければならないこともあるのだ。それは、自民党だけで296議席、公明党と合わせれば衆議院で327議席という巨大与党になったことによる弊害だ。

たとえば総選挙後におこなわれた特別国会を例に考えると、象徴的だったのが審議時間の短さ。特別国会では政府が提出した法案が郵政民営化関連の6本を含めて24本あったのだが、そのうちのじつに21本があっさりと成立。しかも、審議から成立までの時間が驚くほど早かったのである。

どのくらい早かったかというと、まず郵政民営化法案は前国会で衆参両院合わせて190時間も審議に費やしたのに、今回は11時間ずつ、わずか2日間でいとも簡単に成立。また、インド洋で米軍におこなう給油支援を1年延長する改正テロ対策特別措置法の場合も、前回延長を認めた03年の臨時国会では約18時間も審議したのに、今回の審議時間はその半分以下の約8時間。そして政治家の政治団体への献金額に規制をかける改正政治資金規正法にいたっては、なんと衆参合わせてほんの3時間(!)の審議で成立してしまっているのである。

これでは中身をホントにチェックしているのかと疑いたくなるが、しかしなんでこんなことになるのか。そもそも法案は議長に提出されると各委員会に回され、ここで中身を審議するのだが、これだけの巨大与党になるとすべての委員長職を与党が独占、そのうえ各委員会で野党の委員数を上回ることができる。つまりどんな法案も委員会の採択で通り、本会議にかけることができるわけで、巨大与党とは法案成立に絶対的な力を持つということなのだ。だが、いうまでもなく立法府の役割は法律を早くつくることではなく、法案の中身をチェックすること。来年の通常国会ではこの辺をもう一度考えてほしいものだ。

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト