内閣府が「見かけ上の問題」と断言

「所得格差の拡大」は本当なのかウソなのか?

2006.03.02 THU

国会で「格差社会」をめぐる議論がさかんだ。たとえば、野党や公明党が「小泉改革が格差社会をつくった」「生活実感として格差は拡大している」と言えば、これに対し小泉首相や竹中総務相が「言われているほど格差はない」と反論する、というように。

しかし、この「格差社会」問題、最近いろんな人たちが指摘しているが、ほんとうのところ格差はひろがっているのか、いないのか――。まず、所得格差の拡大を「見かけ上の問題」と否定するのは内閣府だ。所得格差にはそれをしめす「ジニ係数」という指標があるが、内閣府ではこのジニ係数の上昇について、もともと格差の大きい高齢世帯が増加しているために全体の所得格差がひろがっているように見えるだけ、と主張。つまり誤解だというのである。

一方、これに真っ向から反論するのが格差拡大論者たち。内閣府は高齢者が増えたから「見かけ上」格差がひろがったというが、当の内閣府のリポート『フリーターの増加と労働所得格差の拡大』によれば、日本の所得格差は97年以降に拡大し、とくに若者層ではフリーターの増加などによって急速にひろがっているという。格差の大きい高齢者が増え、もともと格差が小さかったはずの若者層でもひろがっているとすれば、社会全体で格差が拡大していると考えるのも当り前。そもそもOECD(経済協力開発機構)の調査した「貧困率」をみても、先進国のなかで日本より不平等な国はアメリカなど数カ国しかない。どう考えても格差はひろがっている、と言うのだ。

もっとも景気動向と同じように、この手の統計は調査方法によって結果が変わるもの。いちばん信頼できるのはやっぱり「実感」だが、各メディアの世論調査をみてみると、たとえば毎日新聞で「格差社会になりつつある」が65%をしめるなど格差拡大の声が圧倒的。ちなみに「実感vs統計」では分が悪いと思ったのか、小泉首相は最近「格差がでてなにが悪い」と得意の開き直り答弁をしている。

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