愛国心が希薄というけれど…

なぜいま教育基本法を改正しなきゃいけないの?

2006.03.23 THU


今国会前半の目玉だった06年度の予算案は、メール問題で民主党の攻撃力が激減したこともあって、年度内にはすんなり成立する見通しだ。

そして、これから迎える後半国会の重要案件として、公務員のリストラを主眼とする行政改革推進法案が控えているが、もう一つ、与党が着々と今国会での成立を期して準備を進めている法案がある。それが教育基本法改正法案だ。

教育基本法とは、その名の通り教育の基本原則を定めた法律のこと。全11条からなる条文は、民主主義的な教育理念を掲げたもので、具体的な制度などには触れていない。いわば教育についての憲法である。

では、なぜいま教育基本法の改正なのか。大雑把にいうと「いまの若者はなっとらん、公共心も道徳心もすっからかん。それで国の未来を託せるものか」という現代の若者に対する危機意識が根底にはある。こうして03年に中央教育審議会が出した答申が、「愛国心」やら「公共心」てんこ盛りの今回の改正案の骨格となったのだ。

この改正案に対して、「復古主義だ」とか「ナショナリズムだ」といった批判も出ているが、いまや自民党と公明党が「国を愛する心」(自民党)にしようか「国を大切にする心」(公明党)にしようか、と表現のすり合わせをしている段階。メディアもさほど盛り上がってないし、このままだと反対意見に対してこれといった吟味もないまま成立してしまいそうだ。

でも、本当に現代の若者には愛国心はないの? 内閣府が実施している社会意識調査では〈他の人と比べて「国を愛する」気持ちは強いほうか?〉という質問に対して、5割以上が「強い」を選択。その割合は40年前からほとんど変わっていない。誰かの役に立てるシゴトを求めて、福祉業界を志望する若者も右肩上がりで増えている。いつの時代も若者叩きは世の常だが、今回の法改正が若者に対する誤解の産物でなければいいのだが…。 

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