中国や韓国に続き

靖国問題が米国からも批判される理由とは?

2006.06.15 THU

通常国会も終わったことで、今月末に小泉さんが首相として最後の訪米をする。米国では、ブッシュ大統領の盟友・コイズミへの感謝をこめてかなりの歓待をしてくれる予定らしいが、じつはこの訪米をめぐってちょっとした事件があったのを知っているだろうか。

小泉さんは今回の訪米で日本の首相として初となる米議会での首相演説を予定しているのだが、そこに米下院の外交委員長がこんな「待った」をかけたのだ。いわく、「米議会で演説するのなら、8月に靖国神社を参拝しないと約束してほしい」――。

もちろん、これは米議会全体の意見というわけではないし、ブッシュ大統領が靖国参拝を直接批判したり、この問題に米国政府が介入してきたこともない。でも、その一方で、このところ米国内で靖国問題を懸念する声が高まっているのも事実なのだ。

たとえば、米国メディアをみても、ニューヨークタイムズは昨秋に社説で「靖国参拝は無意味な挑発」と批判し、ワシントン・ポストも同じような記事を掲載。また、米国政府内の高官からも「良好な日中関係こそ米国の利益になる」と、靖国問題による日中関係の悪化が米国に及ぼす悪影響を心配する声が数多く上がっているという。

では、小泉さんが靖国参拝することがなんで米国にとって不利益になるのか。いちばん大きな理由は、いまの米国の世界戦略ではアジアの安定が不可欠だということ。とくに中国が力をつけ、米国が中国のことをステークホルダー(利益共有者)と呼ぶようになった現在、靖国問題で日中首脳会談もままならないようでは米国もトホホとなってしまうのだ。日本には同じ民主主義の同盟国として、アジアのなかでちゃんと役割を果たしてほしいというわけである。

もっともこれは米国の都合にすぎず、そんなことで靖国参拝について議論すべきではないとの見方もある。しかし、その「心の問題」が国際的な「政治問題」になっているのも事実。それなのに、小泉さんって人はホントに頑固な人である。

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