「国vs個人」と「個人vs個人」で変わる

刑事裁判と民事裁判の違いってわかりますか?

2006.06.22 THU

被告人、なにか言いたいことはありますか」。ドラマなんかでよく見るシーン。このあと「判決。被告人を無期懲役に処す」なんて続きそうな勢いですが、それはあくまで刑事裁判(以下、刑事)での話。ご存じでしょうが、裁判には、民事裁判(以下、民事)というのも存在します。そんなの常識だよと思ったあなた。その違い、説明できます?

そもそも民事と刑事では一体何が違うのか。日本大学法科大学院教授の板倉宏氏によると「刑事裁判は国家が個人を処罰するためのもの。一方、民事裁判は個人と個人の紛争を解決するもの」とのこと。

忘れがちですが、刑事裁判では被害者が犯人を訴えるわけではなく、犯人を訴えるのは国=検察官なんです。ですから、刑事裁判では死刑や懲役、罰金など社会的な制裁を与えることしかできません。じゃあ、実際に被害者が被った損害はどうするのか。そこで被害者自身が加害者を訴え、損害を回復させる民事裁判が必要となってくるのです。

例えば世間を騒がしたライブドア事件。粉飾決算を指示したとされるホリエモンは証券取引法違反にて刑事で裁かれます。一方、ライブドア株で損をした株主が、ホリエモンを訴えると息巻いていますが、あれは民事で損害賠償請求をしようとしているものなのです。しかし民事裁判と刑事裁判では、同じ事件でも全く異なった判決が出されることも。つい先日も、刑事では無罪になったものの、民事で不法行為が認められた痴漢事件がニュースになりました。
「刑事裁判は国が個人を処罰する。ここで間違いがあると憲法の定める基本的人権に関わりますので、民事より証拠の採用など事実認定が厳しいんですよ」(同氏)

ちなみに、前述のケースのように、刑事判決確定後、民事で痴漢の事件性が認定されても、再び逮捕されることはありません。これは、同じ事件で同じ人物を二度裁けない決まりがあるから。なんだか釈然としないところもありますな。 

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