最後の訪米で国賓並みの大歓迎

小泉さんとブッシュ大統領その5年間の蜜月を振り返る

2006.07.27 THU


19発の礼砲による歓迎式典に豪華な晩餐会。そして、ブッシュ大統領自ら案内役を務めたプレスリーの邸宅訪問―。最後の日米首脳会談という小泉首相の「卒業旅行」はまさに国賓級の待遇だった。しかも、プレスリーのサングラスをかけてはしゃぐ小泉さんの姿が米国の新聞各紙の一面でも大きく報じられるという、これも異例のおまけつきで。

じつは、このもてなしを考えたのはブッシュ大統領自身だったという。「友人のコイズミのために何かしてやりたい」と、プレスリーの件も大統領のひと声で決まったというのだ。米大統領が自分のためにそこまでしてくれたのだから、小泉さんがはしゃぐのも無理はなかったのかもしれない。

この最後の訪米が象徴するように、小泉さんの5年間はそのままブッシュ大統領との蜜月関係だった。たとえば、巨額の赤字に頭を悩ませる米国が郵政民営化などの小泉改革を全面的に応援すれば、小泉さんは米国が始めたイラク戦争への支持をいち早く表明。「米国は『日本への攻撃は自国への攻撃とみなす』と言っているただひとつの国だ」とイラクに自衛隊を派遣し、ブッシュ大統領を喜ばせる、というように。

なかでもすごいのが安全保障面での協力強化。知らない人も多いと思うが、じつは在日米軍再編協議によって、これからの日米は軍事面でも従来とは比べものにならないくらい一体化することになってしまったのである。つまり米軍が海外で軍事活動をおこなったら日本もこれまで以上にバックアップしなければいけないわけで、日米関係はそんなところでも深まっているのだ。

しかし、日米が仲良くなる一方で、失ったものもある。それは米国以外の国々との関係、いわば「世界からの孤立」という状況だ。今回の首脳会談で、小泉さんとブッシュ大統領は日米関係を「歴史上、もっとも成熟した2国関係」と語った。でも、その蜜月はとてつもなく高いコストで手に入れたものにほかならない。ポスト小泉はその教訓を生かせるだろうか。

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト