耐震強度不足問題が再燃してますが…

そもそも構造計算っていったいどんな仕事なの?

2007.03.01 THU



写真提供/時事通信
1月末、有名ホテルチェーンの建物に耐震強度不足が見つかった。地震大国日本を揺るがした耐震強度偽装事件から1年あまり、「住」への不安が再燃している。一連の事件で問題となっているのは“建物の構造計算”なのだが、これがいったいなんなのか、正直よくわからない…。

「建物が様々な力を受けたときの状態を調べるのが構造計算で、それを行う人が構造設計者です」とは、日本建築構造技術者協会の大越俊男会長。

「車なら実際に組み立てたもので、衝撃に耐えられるか実験できますよね。でもマンションなど大きな建物ではそういうことができません。そこでコンピュータソフト上でシミュレートして検証するんです」(同)

つまり、人体でいえば「骨」の設計をするのが構造計算の仕事。表にみえるものではないが、とても重要な仕事なのだ。一方でなぜ「不足」や「偽装」といったことが起こるのだろう?

「ひとつはお金の問題。発注元から『安く仕上げてほしい』といわれれば、基準ギリギリを狙った計算をする人も出てきます。ほかには計算自体の問題も。同じ食材を使っても料理人が違えば違う料理になるように、同じ建物の計算でも計算方法やそれに対応するソフトがいくつもあるため、やり方によって結果が異なることがあります。また、実際の建物を計算するために建物のモデル化をしますが、構造設計者によってモデル化が違い、計算結果が変わることがあり、判定に差が生じます」(同)

建築基準法の改正や構造設計者の国家資格化など、問題の改善に向けた動きは進んでいるが、住宅購入を控えたR25世代としてはまだまだ不安。そこでアドバイスを伺うと、

「安全な建物はやはり割高」なのだそう。安全とコストは直結する。私たち消費者はもちろん、モノづくりにかかわる人たちすべてが忘れたくない言葉だ。


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト