高校「数学II」教科書にマンガを導入?

教科書もマンガにすればわかりやすくなるの?

2007.05.10 THU

06年度の教科書検定で、本格的にマンガを採り入れた『数学II』の教科書が、大幅にマンガ部分を削除されたものの合格した。削除前の申請段階では、17世紀の宮殿にタイムスリップした高校生が、問題を解くことによって現代へ帰還するというSFチックな設定のストーリーも掲載されていたとか。

何だか面白そうではないか。ボンクラ学生だったころ理解不能だった教科書もマンガなら…? さっそく、この『数学II』教科書を申請した出版社に問い合わせたところ、「マスコミの方から貸し出してほしいという要望は多いのですが、どこにも出さないという方針なので」との回答。確かに100カ所以上の検定意見がついたマンガ教科書だけに批判もあるだろうが、数学が苦手な生徒さんには、わかりやすくてよいのでは? そんな疑問を、元・数学教師でマンガ家の江川達也氏にぶつけてみた。

「僕はマンガ教科書には反対ですね。もし、こういうことをするなら、超一流のマンガ家を起用しないとダメ。そのうえで、たとえば数学なら、高等数学も理解しているマンガ家じゃないと話にならない」

て、手厳しいですね…(汗)。マンガならとっつきやすいし、苦手な人に伝えるには有効な手段のような気もしますが。

「わかりやすくなるとは思いますよ。ただマンガは、数学でも国語でも歴史でもなく、あくまでマンガなんです。教科書ではなく、副読本としてならどんどんやるべきだと思いますが、教科書にするのはおかしい。教科書は認定する・しないでもめるくらい半強制的で重いものですから」(同氏)

江川氏のマンガは、近年の作品に顕著だが、すべて「教育」というテーマがベースにある。それは、教科書より圧倒的に面白く理解しやすい。その意味で、マンガにすればわかりやすくなる、というのはモノによっては事実といえるが、「教科書としては問題」という江川氏の主張は、教育にこだわってきたマンガ家の意見として耳を傾けるべきものがあるだろう。


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