政府が沖縄支援策に着手

沖縄経済と県民を支える「模合」とは?

2007.09.20 THU

今月から、内閣府は沖縄県の若手経営者を対象に、「沖縄新世代経営者塾」をスタートさせた。これは、政府による沖縄支援策の一環。ビジネスモデルや商品開発などのノウハウをレクチャーし、沖縄県内に有力な経営者を育成しようという狙いがある。

政府がこういった支援を行う理由は、沖縄県が全国でもっとも平均所得の低い県だから。04年度の都道府県別平均所得を見ると、沖縄の平均年間所得は198万7000円と、東京の半分にも満たない。さらに、完全失業率に至っては7.7%(全国平均は4.1%)。なのだ。歴史的経緯はあるにせよどういう状況なのだろうか? 大阪出身ながら、現地で10年以上も店舗経営を続ける河内憲一さんは、次のように語る。

「米軍基地の恩恵もあるし、政府の公共投資もあるけど、やはり本土に比べて商圏が小さいですからね。それに離島のデメリットで、他県産の商品は輸送費がかさむため、物価は安くありません。ただでさえ賃金水準が低いから、消費行動も盛り上がらないのです。でも、これは今に始まったことじゃない。だから沖縄には“模合”というしきたりが続いているのでしょう」

模合とは、近隣住民や気の合う仲間が集まって、毎月一定の金額を徴収し、集まった全額を毎月順番に1人が受け取る互助会のような集まり。沖縄の家庭では、子どもの進学や結婚など、まとまった費用が必要なタイミングで、この模合による収入が大きな手助けになっているのだ。

不利な状況を助け合いで乗り越えてきた沖縄だが、一方では全国で最もストレスの少ない県という調査結果もある(厚生労働省「02年患者調査」より)。長寿としても知られる沖縄県民は、所得が低くても、地域の仲間たちと唄ったり酒を飲んだりすることで、苦難を発散する術に長けているのかもしれない(沖縄の酒類消費量は全国2位)。

ストレスの多い現代社会だからこそ、沖縄県民を支える模合は再評価されてもいい慣習ではないだろうか。


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト