カンニング竹山さんの発言で論争勃発

ネットって匿名の方がいいの?それとも実名にすべき?

2007.12.07 FRI


管理者に依頼をすれば問題のある書き込みを削除してくれる場合もあるが、一度傷ついた名誉や信頼を回復するのは容易なことではない
日本の社会問題を解決するべく、タレントが選挙に出るという設定で、マニフェストを提案するバラエティ番組に、カンニング竹山さんが出演した際、「インターネット利用者に実名の公表を義務づけます」と提案したことがネット上で話題になっている。その趣旨は「ネットで誹謗中傷があふれているゆえんは、匿名性にある。匿名性は自殺サイトや犯罪請負サイトの温床にもなるので、利用者は実名を公表すべし」というもの。番組放送から約1カ月以上経った今も、実名公表の是非をめぐる論争がネットのアチコチで繰り広げられている。

こうした議論で揺れているのは日本だけではない。お隣・韓国でも以前から「ネットの実名公表」を求める意見が頻出していたが、今年2人のタレントがネットの誹謗中傷が原因と見られる自殺を遂げたことにより、「これ以上悪質なネット暴力を放置できない」という声が急増。ついに7月に「制限的インターネット本人確認制度」(通称:インターネット実名制)が制定された。

サイト運営者は、利用者がユーザー登録するときに住民登録番号と氏名を入力させ、政府が管理する住民登録データベースと照らし合わせて本人確認を行う。ただし、従来通りハンドルネームを使って書き込むことも可能だ。表面上は匿名性と何ら変わりはないが、運営者はいつでも利用者の実名を探り当てられるようになったのだ。

そして、日本でもネット利用者の実名公表を求める声が高まりつつある。仮に実名制を導入した場合、一体どんなメリット・デメリットが生じるのだろうか? IT事情に精通した時事通信編集委員・湯川鶴章さんは次のように語る。

「メリットは、議論のマナーが保たれる傾向になることでしょうね。実名が公表されるので、ネット暴力のような書き込みはできなくなる。逆にデメリットとしては、企業の内部告発などが難しくなることでしょうか。さらに“名前”が力を持ってしまうので、コメントの内容よりも肩書きが物を言う場合が多くなると思います」

一方、匿名性のメリットは「内部告発が促進され、市民1人ひとりによるジャーナリズムが期待できるようになる。また、肩書きではなく内容そのもの重視の議論ができる」とのこと。しかし、匿名であるがゆえ、無責任な議論になることも避けられないのだとか。

韓国では実名制を導入した今もなお、悪質なコメントに悩まされている人が多いと聞く(※韓国ではブログやSNSに悪質なコメントを繰り返すことを「アクプル(悪+Reply)」と呼ぶ)。ネットのモラルを律するには、制度としての実名より、利用者の意識革命が必要なのかもしれない。

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