同人誌、コミケの活況を背景に…

手塚治虫作品が二次利用可能に!「Open Post」って何だ?

2008.03.07 FRI


投稿作品はサイト上からチェックできる。「やわらか戦車」と手塚プロがコラボした「やわらかアトム」など、有名クリエイターの作品も多数!
『鉄腕アトム』に『火の鳥』、『ブラック・ジャック』――マンガ界に燦然(さんぜん)と輝く名作たちに再び命を吹き込む動きが始まっている。それが「Open Post(オープン・ポスト)」というプロジェクトだ。

オープン・ポストとは、アニメやマンガなどの作品発表スペースをインターネットに設け、広く一般に開放する試みのこと。具体的には、『鉄腕アトム』を浦沢直樹がリメイクしたマンガ『PLUTO』のような作品を、アマチュアがオフィシャルに発表できるようになるのだ。

このプロジェクトのスペシャルサイト上では、アマチュアの意欲的なクリエイターに、マンガ・アニメなどの作品を発表する場が提供されるわけだが特筆すべきは、使って良い素材(つまりはネタ元)がマンガ界の巨匠・手塚治虫作品だということ。冒頭に挙げたマンガの登場人物はもちろん、ストーリーやロゴ、美術設定まで、手塚治虫が創作したコンテンツすべての二次利用が可能になるというのだ。

言うまでもないが、著作物の無断利用は「違法」である。しかし、ネット上や同人誌では堂々と二次利用コンテンツがまかり通っているのが現実。そんななか、著作権を強固にガードしてきた業界が(期間や作家の限定はあれど)門戸開放宣言するなんて、結構画期的なのでは? Open Postを運営する日本動画協会の正木大督(まさき・だいすけ)さんに、同プロジェクトをスタートさせたきっかけを聞いてみた。

「近年、アニメ界ではコンテンツの二次利用、二次創作が大きなテーマとして議論されてきました。名作のキャラクターは読者に楽しまれるためにあり、ガチガチに権利を縛るのは本意ではありませんからね。一方、同人誌シーンも盛り上がっていますし、コミケは毎年何十万人もの来場者を集めています。在野クリエイターのエネルギーは、もはや無視できなくなってきているのが現状なんです」

2月中旬現在までで投稿作品は300点弱。イラストやアニメーションが多いが、マンガ、短編アニメ用のプロットとして投稿されたテキスト「火の鳥・戦国四国編」やペット用アイテムの「小型犬ピノココスチューム」など、絵心とは関係なく、構成力やアイデアで挑んでいるクリエイターも目立つ。ちなみに、プロジェクトは2007年11月から2008年3月までの期間限定となっているがその後の展開も気になるところだ。

「有望な若手発掘、という意味では、Open Postがインターネット時代のトキワ荘になることを目指しています。現在進行形のトピックとしては、携帯電話用デコメールについては商品化作品が決定。具体的に商談が進んでいますね。あと、手塚治虫氏に続いてご協力いただけるクリエイターの登場に向けて調整中です。もちろん、今回ご協力をいただいた手塚プロダクションに、引き続き協力を要請していきますよ。手塚プロは『PLUTO』をはじめ、リメイクやコラボ企画には積極的なプロダクションですからね」(同)

マンガファンならご存じのトキワ荘といえば、少年マンガ草創期に石ノ森章太郎、赤塚不二夫、藤子不二雄ら、当時の有望な若手クリエイターが集ったアパートだ。彼らは手塚作品を徹底的に模倣することで腕を磨いたという。ネット時代のトキワ荘から、『PLUTO』クラスの作品は登場するのだろうか? ネットにおける新たな可能性に期待したい。

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