虫や動植物を自然に帰すのは悪いこと!?

その“善意”が命取り!?外来生物がもたらす脅威

2008.03.19 WED

人為的に放たれた外来種の蝶・アカボシゴマダラ(中国産だと思われる)が年々首都圏で分布域を広げており、生態系を壊す恐れがあるという朝日新聞の記事を読んだ。調べてみたところ、一度定着した外来種は根絶がほぼ不可能らしい。これは由々しき事態だ! 大量の外来昆虫を放ち、数を増やそうとする人たちを「放虫ゲリラ」と呼ぶそうだが、彼らの目的はいったい何なのか?

「単に『好きな蝶が、自然の中でたくさん舞っていてほしい』という欲求を満たすために放虫するのではないでしょうか。植物防疫法で輸出入が禁止されている昆虫の数を増やし、密売している業者はあると思いますが、その場合は大切に養殖するので、自然に放つことはないはずです」(神奈川県立生命の星・地球博物館の高桑正敏氏)

アカボシゴマダラは10年ほど前に放たれたと推測されている。一度にまとまった数が放たれる、ゲリラの仕業だと思しき実害は最近出てないが、「自由に飛ばせてあげたい」と、善意で飼っている虫を放す人も多いらしい。その良かれと思ってした行為が、大問題になりかねないのだ。

「外来種の定着はそれらが持つ病原菌が在来種を脅かしたり、在来種とエサ資源を巡って競合する危険性があります。また、害虫化する恐れも。蝶は鳥などとの被食・捕食関係に混乱を招く可能性も高い」(同)

人の手で放された外来種が、日本の生態系に打撃を与えかねないのは虫に限らない。例えば小笠原諸島では、外来種の動植物の定着が深刻で、グリーンアノールという「特定外来生物」に指定されたトカゲが持ち込まれ、昆虫類に破壊的被害を及ぼしているそうだ。さらに外来種の植物がまん延し、在来種の生育を侵害しているという。

「採取が悪で、放つことが善と考える人がいますが、大きな間違い。元来存在していない地に動植物を放っても、自然に悪影響を与えるだけなんです」(同)

動植物や自然を尊く思うなら、むやみに放つのはダメ、絶対!


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