過去の映画やテレビ番組が自由に楽しめる!?

ネットでの映像配信許諾が簡単に…いま話題の「ネット権」って何?

2008.04.11 FRI


「YouTubeのような映像コンテンツ配信に関わる大規模な、或いは世界的なベンチャーが日本国内にはまだでてきていない」とはフォーラムメンバー・熊谷正寿氏の提言だ。果たして日本はネット配信先進国になれるか!?
著作権に肖像権、商標権――インターネットでも様々な「○○権」を目にするけれど、最近ホットなキーワードの1つが「ネット権」だ。

これは、2008年3月に「デジタル・コンテンツ法有識者フォーラム」が提案したネット法(仮称)に基づく権利。大まかに解説すると、ネット上におけるデジタルコンテンツの複雑な許諾プロセスをバッサリとカット。特定の映画会社やテレビ局がネットで配信する権利を集中的に持つことで、いち早くユーザーにコンテンツを配信できるようにしようというものだ。

対象となるコンテンツは、映画、音楽、放送番組の3ジャンル。そもそも、テレビ番組などは権利処理が複雑で、テレビ局や出演者、制作会社、放送作家など、関わった様々な人たちに複製権、公衆送信権、著作者人格権、実演家人格権など、一つひとつ許諾を取る必要があった。しかし、このネット権が確立されれば、著作権の問題で公開できなかった過去のテレビ番組や映画、CDなどがネット上で自由に検索・購入できるようになる。

それにしても、なぜいま「ネット権」新設の動きが活発になってきているのだろうか。『Web2.0 BOOK』の著者である小川浩さんにお話を聞いてみた。

「ネットの世界では、『過剰な著作権保護は新しい発想をつぶしかねないため、最低限の著作権保護と引用の自由を確保しよう』という流れがあります。しかし、その一方で、クリエイターに対して適切な対価を支払う仕組みがまだまだ確立できていません。つまり、『ネット権』は著作権問題とコンテンツに対する課金問題の両方を解決しようという動きなのです」(株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター・小川浩氏)

デジタル・コンテンツ法有識者フォーラムの政策提言では、テレビ局、映画会社などのネット権者に対して著作権者は「報酬請求権」を持ち、公正に収益を配分されるとしている。しかし、「当事者間の協議によって決定する」など、著作権の対価については明確になっていないのが現状だ。

コンテンツ視聴の対価として支払う僕らのマネーは、いったいどう流れていくのだろうか? まだまだ議論の余地がありそうな「ネット権」をめぐる議論。一ネットユーザーとして、こういった仕組みについて「知る権利」にも意識的でありたい。

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