北京五輪開会式をドイツがボイコット?

なんでオリンピックに政治が絡んでくるの?

2008.05.08 THU



写真提供/渡辺正和/アフロスポーツ
オリンピックが政治に翻弄されている。北京五輪まで約3カ月だというのに、チベットの騒乱をめぐる中国の対応に各国から開会式ボイコットの声が続出。とくに人権意識が高い欧州各国では、ドイツのメルケル首相をはじめ、ポーランドやチェコなどの大統領や首相が不参加を表明、このままだと開会式に各国首脳がそろわない可能性もでてきた。

そもそもオリンピックになぜ政治が絡んでくるのか。じつは、こういうことは今回が初めてじゃない。たとえば1940年の東京五輪と44年のロンドン五輪は戦争の影響で中止になり、68年のメキシコ五輪では参加国・南アフリカの人種隔離政策が批判を浴びて50以上の国がボイコットを表明。さらに76年のモントリオール五輪でも中台問題のあおりを受けて台湾選手団が入国を拒否されたうえ、南ア問題でアフリカ諸国の選手団が引き揚げるという事件が起きている。

なかでも、その最たるものとして記憶されているのが、東西冷戦の影響をもろに受けた80年のモスクワ五輪と84年のロサンゼルス五輪―。モスクワ五輪では、ソ連のアフガニスタン侵攻で日米など多くの西側諸国が参加そのものをボイコットし、続くロス五輪はその報復としてソ連をはじめとする東側諸国がやはりボイコット。「スポーツの祭典」であるはずの五輪が、まさに政治によってないがしろにされてしまったのだ。

もともと政治のスポーツへの不介入はオリンピックの原則で、その基本理念にはこうある。「スポーツや選手を政治的に悪用することに反対する」「オリンピックは、個人種目、または団体種目での選手間の競争であり、国家間の競争ではない」―。だが、実際はオリンピックの政治利用はあたりまえというのが現状で、事実、今回の開催国である中国は、一部のエリート選手を国が幼少時から育成し、メダルを獲らせることで「国威発揚」につなげようとしている。もしかしたら、五輪と政治は切り離せないものだからこそ、政治利用してはならないという原則が必要なのかもしれない。

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