長き米大統領選挙もついに終局へ…

民主党vs.共和党望ましいのは?

2008.06.30 MON


今年の下半期を代表するイベントとして、注目したいのがアメリカ大統領選挙。日本にとってアメリカは最も重要な同盟国であり、経済、軍事など様々な面で深くつながっている。同選挙の行方は、僕たちの生活を大きく左右する可能性があるのだ。

民主党の候補者は、黒人初の大統領を目指すバラク・オバマ氏。対する共和党は、元海軍でベトナム戦争にも参加したジョン・マケイン氏。今回の選挙の争点について、双日総研の吉崎達彦氏はこう見る。

「米国内で争点となるのは医療問題でしょう。アメリカの医療保険制度は、日本の年金と同じくらい深刻な問題です。全米3億人のうち、約5000万人が無保険者であるために満足な医療を受けられず、歯が痛くとも我慢する状況なのです」

一方、国外問題に関しては、イラク駐留米軍の撤退問題が大きな争点となりそうだ。ジャーナリストの手嶋龍一氏はこう語る。

「オバマは一貫してイラク戦争の批判派であり、政権をとれば早期に撤退すると公約しています。一方のマケインは、戦略なき撤退はより大きな犠牲を生むとして、米軍の影響力を残しながら、時間をかけて撤退するとしています」

ただし、政策面では全体的に「両者とも中道派路線で、目指す方向に大きな違いはない」(吉崎氏)。今回の大統領選挙は、それぞれの人柄や人気度が投票の行方を左右する、イメージ選挙の色彩も無視できない。

「オバマはケネディ大統領以来のカリスマ的な魅力を備えている候補です。ケニアからの留学生だった父とカンザス出身の白人である母を両親に持つオバマは、そんな家族の背景ゆえに『今こそ統合された一つのアメリカを』と呼びかけ、白人知識層からの支持も獲得しつつあります」(手嶋氏)

「マケインは一部保守派からはBUSHIDO(武士道の人)とも呼ばれている人物です。彼の愛国心、誠実さに異議を挟むのは難しい。両者とも人柄が良く、相手を攻撃するタイプでもないので、テレビ討論会などで失言した候補が不利になるでしょう」(吉崎氏)

では、どちらが大統領になった方が、日本にとって有利なのだろうか。1990年代、民主党のクリントン政権下では、猛烈なジャパンバッシングが巻き起こった。それだけに、オバマが勝つと日本には不利との声も聞かれるがー。

「その不安はほとんどないでしょう。90年代当時、アメリカの貿易赤字の半分は対日本でしたが、近年では1割ほど。今、日本を叩く理由は見当たりません」(吉崎氏)

「マケインは、確かに日米同盟の重要性を説いていますが、それだけ日本に対してより大きな同盟上の義務を求めてくるはずです。日本政府としては、どちらが大統領になっても、安全保障、経済の両面で日本を重視させる外交を展開すべきです。要は日本の姿勢にかかっているのです」(手嶋氏)

果たして2009年1月20日の宣誓式の舞台に立っているのは、オバマ、マケインのどちらだろうか。


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