人員削減、コストダウン、節電 etc...

「サーバの仮想化」って何だ?そのメリットとデメリットを探る

2008.10.03 FRI


もし、僕らの手足も仮想的に増やすことができたら…いろんな作業が同時進行できる、はず。サーバの仮想化はエコのため、そしてより快適な作業環境作りのため、日進月歩で発展している最中だ イラスト/Stephen Hausdorff
サーバ台数の増加が問題視されている。世界のサーバ設置数は昨年3000万台を超え、さらに2010年には4000万台を突破する見通しだ。

サーバとは、ネットワーク内で末端のクライアントPCに対し、データや機能を供給するマシンのこと。たとえばソフト本体がPC内になくても会社が管理するサーバ内にあれば、その機能をネットワーク経由で利用できるのだ。

そのサーバが増えると何が問題なのか。テクニカルライターの富永康信さんに聞いた。

「多くの企業ではシステムの安定性を確保するため、サーバ1台につき1つのソフトを動かすケースが多いのです。部署ごとにサーバを用意している企業では、ひとつの目的のために数十台のサーバを要するケースもあります。しかし、これほど余裕を持たせたサーバは、実際には保持する能力の2~3割しか使われていないことがほとんど。能力の過半数が遊んでいてもコストは発生しますし、台数が多いぶん、システム管理者がサーバを保守・運用しきれない事態も起こります」(富永さん)

そこで対策として生まれたのが、「サーバの仮想化」である。これが「実際は1台のサーバでしかないのに、あたかも複数台のサーバが動いているかのように機能させる技術」(同)という、なかなかスゴイ仕組みなのだ。

「仮想化ソフトによって複数のサーバを1台に集約すれば、管理の手間や人員の削減につながります。ある企業では仮想化によって100台のサーバを20台に削減でき、3年間で約1億円のコストが削減できた例もあります」(同)

1台あたりの遊びを省き、サーバの台数を減らせば節電できる。ほかにも、たとえばシステム開発の過程では、1台の中に複数の環境を仮想的に用意できるため、複数パターンの環境テストが1台で賄えるメリットなどもある。

では逆に、サーバを仮想化するデメリットは?

「専用の仮想化ソフトが加わるぶん負荷が増し、サーバの性能が劣化する可能性があります。また、仮想化という新たな技術をマスターする必要があり、しっかりとした活用シナリオを持たないと、むしろかえって管理者の手間が増すことにもなるでしょう」(同)

この技術はまだまだ過渡期。諸問題をクリアして、将来的には社員のPCに一切のソフトを持たせず、すべてサーバで集中管理することでセキュリティを高める「シンクライアント」も見据えられている。サーバの仮想化は、僕らの環境にも直接関わってくる技術なのだ。

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